2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18659097
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
林 祥剛 Kobe University, 医学部, 教授 (50189669)
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Keywords | NASH / 脂肪性肝炎 / Endothelial lipase / アディポネクチン / 非ウイルス性肝炎 / 非ウイルス性肝癌 / 酸化ストレス / インスリン抵抗性 |
Research Abstract |
近年、脂肪肝から肝硬変および肝癌への進展が問題視されています。脂質代謝に関連のある血管内皮リパーゼ(Endothelial lipase; EL)をKnock outしたマウスに高脂肪食を与えると、単なる脂肪肝ではなくNASHが発生することを見出し、このマウスの病態を解明することによりヒトにおけるNASHの病態解明の一助になると考える。このマウスにおける脂肪性肝炎の発生機序としてELが欠如しているため脂肪細胞での脂肪分解が低下し脂肪細胞の肥大化と脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカインの分泌異常が起こりインスリン抵抗性を惹起したと考えられた。それに伴い高インスリン血症が誘導され、肝臓での脂肪酸の流入増加と酸化ストレスの上昇から脂肪性肝炎を引き起こした可能性が考えられた。脂肪性肝炎の発症機序としてすでに2ヒットセオリーが提唱されている、これは1st Fitとして脂肪肝やそれに伴うインスリン抵抗性のある状態に2nd Fitとして酸化ストレスや脂質過酸化、炎症性サイトカインが加わり脂肪性肝炎を発症するとされるものである。このモデルにおいても普通食のKOマウスにおいては脂肪性肝炎は認めず高脂肪食負荷のKOマウスに脂肪性肝炎を認めたことから1st fit 2^<nd> fit両者の存在で脂肪性肝炎を発症することが証明された。結論Endothelial lipase KO mouseにおけるNASH発生機序としてインスリン抵抗性、炎症性サイトカインの増加、アディポネクチンの低下が関与している可能性が示唆された。 (the 18th Confbrence of the Asian Pacific Association fbr the Study of the Liver,ソウル、韓国)
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