2006 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的16SrDNA多型性解析による潰瘍性大腸炎原因菌の同定:病変局所からの検索
Project/Area Number |
18659102
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
岡安 勲 北里大学, 医学部, 教授 (20014342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 功 北里大学, 医学部, 講師 (90316943)
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Keywords | 潰瘍性大腸炎 / 腸内細菌 / 16SrRNA遺伝子 / 16SrDNA / Fusobacterium varium |
Research Abstract |
潰瘍性大腸炎(UC)は原因不明であるが、発症には腸内細菌が関与していると考えられる。我々は患者大腸粘膜の培養法からFusobacterium varium(F.varium)がUCの発症に関わることや、UC患者にF.variumを対象とした抗生剤によって大腸炎が有意に改善することを示した。しかし、UCの発症原因としては複数の腸内細菌が関与していると考えられるため、細菌の16SrRNA遺伝子多型性を利用した、UC大腸粘膜局所における細菌の同定方法の確立を目指した。 方法として、OCT compound 包埋UC患者大腸粘膜凍結切片を用い、以下の手順による同定方法を検討した:(1)laser-captured microdissection による病変局所の採取とDNA抽出,(2)16SrDNAのPCR,3)plasmid vectorへのクローニング、(4)判定量を行jための多数クローンの採取、(5)plasmidクローンのsequencing,(6)細菌データベースを用いた同定。 結果として、(1)UC患者大腸粘膜の未固定凍結切片の病変部からmicrodissection法にて、正確に病変部を採取して、16SrDNAの上流域でPCRをかけ、DNA抽出kit及びPCR条件を検討して、非特異的細菌DNAは検出されずにかつ高いPCR感度を得ることができた。(2)連続凍結切片から陰か上皮を採取することによって、PCRで検出可能な細菌量を得ることができた。(3)Helicobacter pvlori, F.variumを使用して解析を行い、本実験系で半定量的な解析が可能であることを確認した。(4)UC患者大腸生体組織からの細菌の同疋を行い、プラスミドクローン数が多い細菌についてはその再現性を確認した。 以上より、微量のUC患者大腸粘膜病変からの網羅的な細菌探索・同定系を確立することができた。
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