2006 Fiscal Year Annual Research Report
全身性炎症反応症候群(SIRS)におけるポリオール代謝の役割と新規治療法の開発
Project/Area Number |
18659106
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
八木橋 操六 弘前大学, 医学部, 教授 (40111231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 龍一 弘前大学, 医学部, 助教授 (20260408)
水上 浩哉 弘前大学, 医学部, 助手 (00374819)
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Keywords | ポリオール代謝 / アルドース還元酵素 / アルドース還元酵素阻害薬 / 虚血・再灌流 / 全身性炎症反応症候群(SIRS) / 急性腎不全 / 酸化ストレス / 新規治療法 |
Research Abstract |
虚血・再灌流障害で組織障害の大きい場合、強い全身性炎症反応症候群(SIRS)が誘導され、その結果急性腎不全となり死亡する。この重篤な病態では対策、治療に有効なものはなく未だ高い死亡率にある。ポリオール代謝は、過剰なグルコースがミトコンドリアでの解糖系に入らず、アルドース還元酵素(AR)を介してソルビトール、ソルビトールからフルクトースへと代謝される解糖系側鎖路として作動する。この過程の亢進により補酵素であるNADPHが消費され、NO減少、グルタチオン減少となる。また、ARはこのほかアルデヒドをも基質として代謝することから、虚血・再灌流の場合、グルコース、アルデヒドの二重の負荷によりポリオール代謝が亢進し、細胞障害をもたらす可能性が高い。従って、この系を制御することは新たな治療法の開発につながる。今回の研究では、ARノックアウトマウス(KO)を用い当研究室で開発した下肢マウス虚血・再灌流障害モデルにおいて実際ポリオール代謝亢進が組織障害をもたらすことが確認された。すなわち、下肢支配血管の結紮により下肢虚血障害により、筋壊死とともにCPK上昇を起す。WTマウスに比してAR-KOではその障害程度が軽度であった。またWTマウスでの虚血・再灌流障害の下肢筋壊死、腎障害を特異的なAR阻害薬を用いることにより、有効に抑制することができた。今後、この系をさらに詳細に検討し、AR阻害薬の使用法、時期などの効果について検討し、今後の臨床応用を図る。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Aldose reductase-deficient mice are protected from delayed motor nerve conduction velocity, increased c-Jun NH2-terminal kinase activation, depletion of reduced glutathione, increased superoxide accumulation, and DNA damage.2006
Author(s)
Ho EC, Lam KS, Chen YS, Yip JC, Arvindakshan M, Yamagishi S, Yagihashi S, Oates PJ, Ellery CA, Chung SS, Chung SK
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Journal Title
Diabetes 55・7
Pages: 1946-1953
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