2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18659108
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
徳久 剛史 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20134364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幡野 雅彦 千葉大学, バイオメディカル研究センター, 助教授 (20208523)
有馬 雅史 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (00202763)
坂本 明美 千葉大学, 大学院医学研究院, 助手 (90359597)
藤村 理紗 千葉大学, バイオメディカル研究センター, 助手 (30376363)
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Keywords | 老化 / 遺伝子 / ゲノム / 癌 / ストレス |
Research Abstract |
本研究では、マウスの胎児繊維芽細胞(Mouse Embryonal Fibroblast : MEF)の培養系をモデルとして、正常細胞がSenescenceから細胞死に至る過程における分子機構1を、Bcl6によるゲノムの安定性や体細胞突然変異の導入抑制機構を含めた分子のレベルで明らかにすることを目的とした。そこでBcl6欠損マウス由来のMEF細胞を用いてSenescence細胞におけるBcl6の機能を解析したところ、Bcl6欠損MEF細胞は継代培養6代を過ぎるころからSenescenceに入り、継代培養8-9代以降では細胞が死滅することを見出した。また、Bcl6欠損マウスのMEF細胞は、正常マウスのMEF細胞の1/100の濃度の過酸化水素(H_2O_2)の刺激によりSenescenceに入り、かつアポトーシスを起こしてくることを見出した。つぎにBcl6欠損MEF細胞を継代培養し、P16,P21,P53などのSenescence関連遺伝子の発現をNorthern法やWestern法で解析したところ、これらのMEF細胞がSenescellceに入る6-7代目の細胞ですでに、正常マウス由来の9代以降のSenescence期のMEF細胞での発現と同レベルの発現量がみられた。 また、Bcl6欠損MEF細胞におけるIg遺伝子のスイッチ領域やc-Myc遺伝子の体細胞突然変異の頻度が、5代までの継代培養では著しく低いが、6代を過ぎることから、その頻度が増加することを見出した。しかし、正常マウスのMEF細胞では、Senescenceに陥る継代(8-9代)に至っても、Bcl6欠損MEF細胞で見られるスイッチ領域の体細胞突然変異は見られていない。すでにRNA修飾酵素Adenosine deaminase actingon RNA1(ADAR1)がBcl6の標的遺伝子の一つであり、Bcl6欠損MEF細胞で発現上昇していることを見出した。そこで、正常マウスやBcl6欠損マウス由来のMEF細胞の継代培養5代目の細胞にADAR1を遺伝子導入したところ、Ig遺伝子のスイッチ領域やC-Myc遺伝子における体細胞突然変異の頻度が著しく高くなることを見出している。現在、体細胞突然変異の導入と細胞寿命との関係を解析している。
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Research Products
(6 results)