2006 Fiscal Year Annual Research Report
アンギオテンシン変換酵素によるプリオン病発生制御法の開発
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18659112
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
近藤 玄 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (40243258)
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Keywords | プリオン病 / アンギオテンシン変換酵素 / GPIアンカー型タンパク質 / トランスジェニックマウス / 実験病理学 / ジペプジルカルボキシチダーゼ / 血圧 / モデル動物 |
Research Abstract |
本研究は、人獣共通感染症でありまた食物供給という観点からも社会問題となっているプリオン病の予防、発症遅延、症状緩和、治癒を目指した新しい手法の可能性を、モデル動物を用いて追求する。我々は、アンギオテンシン変換酵素(ACE)にGPIアンカー型タンパク質を細胞膜表面から遊離する活性があることを見出した。正常型プリオンタンパク質(PrP)はGPIアンカー型タンパク質であることから、本研究では、異常PrPの発生防御法として、正常型を細胞表面より取り除くことを期待し、ACEを全身で強力に発現させたトランスジェニックマウスを作製し、これに異常型PrPを投与してACEのプリオン病発症への効果を実験病理学的手法で検討することにした。ACEは内在性のジペプチジルカルボキシペプチダーゼであり、従来から血圧上昇作用が知られている。したがって、これを全身に大量投与すれば、高血圧を招く危険性がある。以前の研究で我々は、ACEのペプチダーゼ活性を欠損させた変異体でもGPIアンカー型タンパク質遊離活性が完全に保存されていることを確認している。そこで、本研究では、この変異体(H413K, H417K)を用いた。このコンストラクトをマウスの全身で強力に発現可能なCAAGプロモーターの下流に連結し、トランスジェニックマウスを作製した。様々な量のトランスジーンタンパク質を発現している3系統のトランスジェニックマウスにつき、尾動脈血圧を測定したところ、いずれも正常であった。次に、樹立した7系統のうち、トランスジーンが最も大量に発現している1系統に異常型PrPを投与した。今回は、自然感染経路に近い腹腔内投与を行った。感染マウス脳乳剤を1%、0.1%に希釈したものを100μl投与した。現在までのところ、コントロールに比べて著変は認められていないが、引き続き経過観察を行っている。
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[Journal Article] Sleeping Beauty Transposon-Based Phenotypic Analysis of Mice : Lack of Arpc3 Results in Defective Trophoblast Outgrowth.2006
Author(s)
Yae, K., V-W.Keng, M.Koike, K.Yusa, M.Kouno, Y.Uno, G.Kondoh, T.Gotow, Y.Uchiyama, K.Horie, J.Takeda
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Journal Title
Mol.Cell Biol. 26
Pages: 6185-6196
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