2006 Fiscal Year Annual Research Report
シグナルシークエンストラップ法を利用した新規癌マーカー抗体の作成
Project/Area Number |
18659137
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北村 俊雄 東京大学, 医科学研究所, 教授 (20282527)
|
Keywords | シグナルペプチド / 発現クローニング / レトロウイルスベクター / 抗原 / 抗体 |
Research Abstract |
研究代表者が樹立したシグナルシークエンストラップ法SST-REXを癌の早期診断に役立てるために、本年度はSST-REXについて以下の改良を試みた。 SST-REXを行った後、SSTクローンに発現しているタンパクが分泌型となるようにpMXs-SSTベクターを改変し、患者血清中の癌抗原に対する抗体の検出や、作成した抗体のスクリーニングをより効率よく行えるようにすることを目的とした。 pMXs-SSTベクターのmpl領域の両端にloxP配列を挿入する。さらにできた分泌型タンパクにmyc tagを付加させるため、3'側loxP配列の下流にmyc配列を挿入したベクター(pMXs-SST-loxP-mycベクター)を用いてSST-REXを行って得られたSSTクローンに対し、creのウイルスを感染させて分泌型タンパクとする。完成したpMXs-SST-loxP-mycベクターにコントロールとして、ヒトIL-3レセプター(IL3R)を挿入し、Plat-Eにトランスフェクションしてウイルスを作成してBaF3細胞に感染させた。この細胞が、IL-3非依存性になったことを確認し、pMXs-puro creのウイルスを感染させたところ、設計どおりにmplが除かれてIL3Rとmycの融合タンパクができていることが細胞溶解液中で確認された。しかし、この融合タンパクは分泌型であるにもかかわらず培養上清中にはほとんど分泌されず、細胞内(おそらくER内)にとどまっていた。IL3Rの代わりに他の遺伝子を入れてみても同様に、細胞外にはほとんど分泌されていなかった。今後、細胞抽出液を抗体のスクリーニングに使用できるかを確かめる予定である。
|
Research Products
(6 results)