2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18659147
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森本 剛 京都大学, 医学研究科, 講師 (30378640)
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Keywords | 院内感染 / 医療安全 / データマイニング / 予測システム / コホート研究 |
Research Abstract |
本研究はデータマイニングの手法を用いて、院内感染の発生リスクを入院時に定量的に予測するシステムの開発を行い、院内感染が顕在化・蔓延化する前の対応を可能にすることを目的とする。また同時に、医療現場に広く導入されつつある電子カルテ上のリアルタイムに得られる情報を医療判断に応用することも目指している。平成18年度の研究では、倫理委員会で承認された教育病院の内科および脳神経外科に心疾患もしくは脳血管障害で入院した全患者を対象に、入院後に発生した院内感染症(呼吸器感染症、尿路感染症、血流感染症)について、院内感染の発生率をカルテから抽出したデータを元に評価した。対象患者は95人で、総観察日数は4275 patient-daysであった。この期間に21件の院内感染(呼吸器感染症 11件;尿路感染症 11件;血流感染症 6件)が発生し、1000patient-daysあたりの発生率は院内感染6.79件[95%信頼区間(CI) 3.89-9.70]、呼吸器感染症2.90件[95%CI 1.19-4.62]、尿路感染症 2.95件[95%CI 1.21-4.69]、血流感染症1.51件[95%CI 0.30-2.72]であった。これらのデータは米国のICUにおける報告、1000patient-daysあたりの呼吸器感染症6.4件、尿路感染症5.9件、血流感染症5.3件と比較して、妥当な結果であり、電子カルテから抽出されたデータが妥当であることが明らかになった。現在、電子カルテから全対象患者について、最終モデルに必要な患者情報の抽出を行っているところである。今後、このデータを元に予測システムを完成させ、日本における院内感染対策に役立てる予定である。
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Research Products
(7 results)