2006 Fiscal Year Annual Research Report
効率的な地域救急医療推進のための病院前重症度スコアの開発
Project/Area Number |
18659149
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高鳥毛 敏雄 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20206775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯 博康 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50223053)
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Keywords | プレホスピタル / 重症度スコア / 救急救命士 / 病院前医療 / トリアージ / 救急車 / 救急医療体制 / 医療システム |
Research Abstract |
まず大阪K市(人口20万、高齢化率16%)での救急車利用のデータベース化を行い、現時点での救急隊員による搬送後転帰の予測(入院・帰宅)と実際の転帰を照合、集計した(豊田恭弘 他 日臨救急医会誌 2006;9:405-409)。また、外傷に対する重症度評価はJPTECの普及により国内では標準化されつつあること、さらに小児救急医療体制は成人と別枠で作られていることもあり、次段階で予定していた、病院前因子(年齢・血圧・脈拍・Sp02・歩行の可否など)を説明変数、搬送後転帰(帰宅・入院)を説明変数とした多変量ロジスティック回帰分析は、15歳以上の急病患者に絞って行うこととした。 多変量ロジスティック解析の結果、入院あるいは外来死亡を予測する説明変数として、年齢、血圧、脈拍、意識レベル、Sp02、歩行の可否が有意であった。それぞれの説明変数のβ値を参考に、合計14点の病院前スコアを試作した。4点以上をカットオフ値とした所、感度87.4%、特異度42.8%で入院治療を要する病態の予測が可能であった。すなわち、バイタルサインに依拠した簡易なスコアで急病での二次救急以上の病態を病院前に評価できる可能性が示された。ここまでの集計を第6回日本臨床救急医学会総会(2007年5月・神戸)において発表する予定である。 今後は入院のみならず、入院後の転帰(軽快・死亡)を含めた集計を行い、病院前スコアの内部妥当性を検討する予定である。 さらに本研究で開発した病院前スコアを他地域でも試用し、外部妥当性の検討も行う予定である。
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