2006 Fiscal Year Annual Research Report
疾患関連蛋白抗原に特異なシステインタグ付き抗体産生マウスの作出
Project/Area Number |
18659162
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中村 和行 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90107748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古元 礼子 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70311818)
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Keywords | 疾患関連蛋白 / IgG抗体 / システインタグ / 遺伝子組み換え / 抗体チップ |
Research Abstract |
目的:患者血清中の超微量(f mol:千兆分の1モル)のがん或いは感染病原体の蛋白抗原を特異的かつ網羅的に計量するための高密度IgG抗体アレイチップを作製するために、C末端部にシステイン配列を導入したIgG抗体を高発現するトランスジェニックマウスの作出が目的である。本研究では、IgG抗体重鎖タンパク質のC末端部に3-5個のシステイン繰り返し配列を導入したシステインタグ付きIgG(cysIgG)を、そのチオール基を介してダイアモンド様表面加工(DLC)した基板上のマレイミド基と共有結合させることによって、抗体の立体構造と配向性を保ったままで高密度抗体アレイチップの作製を目指す。そのためのcysIgGの発現ベクターを開発してcysIgGの発現系であるトランスジェニックマウスを作出し、そのマウスをがんや感染症など様々な疾患関連蛋白抗原で感作することによって随意に疾患抗原特異cysIgGを調製して抗体アレイチップに用いることを目標にしている。 実験:システインタグ付きIgG(cysIgG)発現ベクターの開発(中村・古元):マウスIgGγ1鎖の全長cDNAの3'端に5個のシステイン配列を繋ぎ、ウサギβグロビン第2イントロンの3'端と繋いでプラスミドpKBPAのEcoRIとXhoI切断サイトに挿入する。WAP promoter tansgene(2.6kb)カセットをT-Easy Vectorにクローン化して、NotIで消化した後、ウサギβグロビン第2イントロン・マウスIgGγ1・5個のシステイン配列を組み込んだIgGγ1の5'端のNotI切断サイトに挿入してトランスジェニックコンストラクトの作成を試みたが機能せず、新たにTargeting Vectorの作成を試みた。 NCBIのデータベースから検索したRIKENのマウスのIgG重鎖cDNA,Clone:A530093J23のexon7に5つのシステイン繰り返し配列をコードするtgctgctgctgctgcを挿入し、Cre-loxp neoR cassetを用いてBamH1で切り出しhomologous recombinationによる発現ベクターを設計した。これを用いてFVB/N受精卵に注入する準備をしている。 HSP70蛋白抗原での感作及びマウスHSP70特異cysIgGγ1の精製(中村・大学院生):肝細胞癌に高発現するHSP70の蛋白精製標品を1mg/mLの濃度にFreund Adjuvant・リン酸緩衝液で調製し、10μLずつ3箇所腹腔内に注射して、2週間後に同様に10μL注射して、4週間後に30μLを同様に注射してのち2週間後に脾臓と全血を採取し、得られた脾臓から脾細胞を採取して非分泌型ミエローマ細胞と細胞融合し、融合細胞をフィーダー細胞と培養して増殖させた後にクローン化し、クローン細胞培養上澄中のIgGγ1をプロテインAカラムで採取し、HSP70に対する結合性を確認している。これらIgGγ1蛋白をマレイミド基板とサクシニイミド基板に固定化を試み、固定化条件の検討を進めている。
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Research Products
(8 results)