2006 Fiscal Year Annual Research Report
スマトラ沖地震津波被災地域における心的外傷後ストレス障害のマルチレベル分析
Project/Area Number |
18659184
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
本田 純久 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教授 (90244053)
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Keywords | 疫学調査 / 精神保健 / 自然災害 / 国際貢献 / 社会医学 / 統計モデル |
Research Abstract |
本研究は、スリランカ国内の津波被災地域住民を対象に、被災体験による心的外傷後ストレス障害の発症状況を調査し、被災時の体験や被災状況、被災後の生活状況との関連を明らかにすることを目的とする。本年度は下記のことを行った。 1.現地研究協力者との研究打ち合わせ 2006年9月と2007年3月の2回にわたりスリランカを肋間し、ルフナ大学社会科学部のSarath Amarasinghe教授と調査対象地域、対象者数、調査時期について研究打ち合わせを行った。また調査に用いる質問紙の内容について議論した。 2.質問紙の開発 心的外傷後ストレス障害の評価にはIES-R(Impact of Event Scale-Revised)を、抑うつ症状の評価にはCES-D(Center for Epidemiologic Studies Depression Scale)を、精神的健康状態の評価にはGHQ(General Health Questionnaire)を用いる。さらに対象者の属性(年齢、性別、婚姻状況、職業、教育水準、社会経済因)、健康状態(既往歴、主観的健康度、日常生活動作)、被災体験(家族の喪失、友人・知人の喪失、家屋の被害状況、避難所での生活状況)、生活習慣(喫煙、飲酒)、社会支援の状況についての質問を調査票に加える。現在はシンハラ語への翻訳を行っている。 3.対象地域の被災状況の調査 対象地域であるスリランカ南部のMatara地域は津波の被害により1,547人が亡くなり、現在も多くの人が避難所で生活している。また同地域の主要産業である漁業、観光業も甚大な被害を受け、経済的に苦しい生活を送っている人も多い。Sarath Amarasinghe教授らが行った調査報告書をもとに、対象地域の地区別死亡者数、負傷者数、避難生活者数と人口に占める割合および社会経済状況について分析を行った。
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Research Products
(10 results)