2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18659186
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
早田 邦康 自治医科大学, 医学部, 講師 (00221341)
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Keywords | ポリアミン / スペルミン / スペルミジン / 生活習慣病 |
Research Abstract |
8週齢のマウス(Jc1/ICR、オス)を購入し、通常の餌で16週間飼育した。低ポリアミン餌は動物に投与する餌の基本的な組成を遵守しつつ、大豆、大豆抽出油、および酵母などの発酵物質を除去し、脂肪を12%前後まで増加した餌を作成した。低ポリアミン餌に、ポリアミンの亜急性毒性試験の結果とヒトの食事中に含まれるポリアミン濃度を参考にしてポリアミン(スペルミン、スペルミジン、プトレスシン)を添加して3種類(低濃度ポリアミン、通常濃度ポリアミン、高濃度ポリアミン)の餌を作成した。マウスが24-6週齢になった時点で3群に分け、各群のマウスにポリアミン濃度の異なる3種類の餌の投与を開始した。餌投与開始から8週後および12週後に血中ポリアミン濃度を測定したが、3群間に差を認めなかった。そこで、餌の投与期間を長くし、餌投与開始から24週後に検討したところ、高ポリアミン餌を投与したマウスの血中スペルミン濃度が有為の差をもって上昇することが判った。高ポリアミン餌群のマウスでは血中スペルミジンも上昇傾向にはあったが統計学的に有為な差は認められなかった。また、低ポリアミン餌群のマウスの血中ポリアミン濃度は通常濃度ポリアミン餌群のマウスと差がなかった。 以上の様に、計画通り18年度は研究に用いるポリアミン濃度の異なるマウスの餌の組成と投与期間を決定する事ができた。18年度中に300匹のマウスの飼育を開始している。現在、餌のポリアミン濃度と組成およびマウスへの餌の投与期間を参考にして研究を継続する。19年度はマウスの飼育に多くの時間が必要となるが、年度後半にはマウスヘ1,2-dimethylhydrazine(DMH)などの発癌剤を投与し、ポリアミンが発癌などの生活習慣病の誘発に及ぼす影響について検討する。
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