2006 Fiscal Year Annual Research Report
精神的ストレスの単球・マクロファージを介する急性冠症候群発症への関与
Project/Area Number |
18659201
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
岩井 邦充 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (40243274)
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Keywords | 精神的ストレス / 急性冠症候群 / 冠動脈硬化 / 単球 / マクロファージ / 炎症性サイトカイン |
Research Abstract |
1.アポEノックアウトマウスの動脈硬化進展過程に対する身体的あるいは精神的ストレスの影響 アポEノックアウトマウスを継代飼育した。6週齢雄にストレスをかけ、動脈硬化進展過程に対する影響を観察した。身体的ストレスとして、フットショックストレス(0.05mA,1秒、インターバル30秒x30分間)、あるいは拘束ストレス(1時間)を与えた。精神的ストレスとしては、フットショックを受けるマウスを横のケージ内で見ている状態とした。フットショックストレスはタイマー付き電気刺激装置と特殊ケージを新たに作成した。ストレスは週3日与え、3ヶ月続けた。終了後、胸腹部大動脈を単離、固定、HE染色し、組織学的に検索した。動脈硬化プラークは対照群(n=6)では3.0±02(平均±標準偏差)個存在した。拘束ストレス群(n=6)では3.2±0.6個、フットショックストレス群(n=6)では3.3±0.5個存在し、いずれも対照群よりやや増加傾向にあるものの有意差を認めなかった。精神的ストレス群(n=6)でも3.2±0.5個と有意差は認めなかった。現在、血管壁のゼラチナーゼ(MMP2,9)活性の変化を見るため 2.マウスに対するストレス負荷によるサイトカイン放出の測定 C57BL6マウスに毎日上記のフットショックを与え、1週間後に心臓から採血、血清中サイトカイン量を測定した。IL1β、TNFα、MCP1に対するELISA (BD社製サンドイッチELISAキット)を施行した。いずれのサイトカインもストレスによって有意に上昇しておらず、与えたストレスが弱いことが示唆された。ショックで飛び上がるくらいの強い電気刺激が可能なように装置を改良、次年度に臨んでいる。 2.マウス腹腔内マクロファージの培養系 マウスにペプトンを腹腔内注射後、腹腔洗浄してマクロファージを採取した。10%牛胎児血清下で培養する系を確立した。次年度、ストレス負荷マウスのマクロファージ活性化程度を検索する予定である。
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