2006 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオーム解析による劇症肝炎でのHGFの生理機能の解明と新規分子マーカーの探索
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18659211
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
坪内 博仁 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (60145480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桶谷 眞 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50274816)
井戸 章雄 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30291545)
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Keywords | 肝細胞増殖因子(HGF) / 劇症肝炎 / 遅発性肝不全 / プロテオーム解析 / SELDI-TOF MS / 二次元電気泳動 |
Research Abstract |
本研究では、世界で初めて人体に投与されるHGFの組換えタンパクの生体に及ぼす影響、ひいては人体におけるHGFの生理機能を網羅的なタンパク発現解析で明らかとし、劇症肝炎における病態の把握、予後予測など、診療に有用な新規分子マーカーを探索することを目的とする。 研究代表者らは、2005年9月より、劇症肝炎を対象とした組換えヒト肝細胞増殖因子(HGF)の第I/II相試験を医師主導治験の枠組みで開始した。2006年度までに、文書同意が得られ、治験に採用された3例(劇症肝炎亜急性型:2例、遅発性肝不全:1例)について、臨床経過、経時的な血液・生化学検査等のデータを収集した。さらに、劇症肝炎全国調査データを歴史対照として、HGFの安全性及び臨床効果を解析した。また連日のHGF投与前後および最大14日間に及ぶHGF治療前後の血清サンプルを採取、保存した。一方、劇症肝炎では高ビリルビン血症(黄疸)が認められる。血清ビリルビン値の上昇は、Surface Laser Desorption/Ionization(SELDI)プロテインチップによる網羅的なタンパク解析を困難とするため、サンプル調整の条件およびSELDI-Time-of Flight Mass Spectorometry(TOF MS)による解析条件を、コントロール血清サンプルを用いて検討している。これらのSELDI-TOS MS解析条件の設定を確立した後に、組換えヒトHGF投与を受けた劇症肝炎患者症例の血清サンプルの解析を実施するが、臨床試験に採用された劇症肝炎の症例数が未だ3例と少ないため、被験者リクルートを推進することも必要と考えられる。
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