2006 Fiscal Year Annual Research Report
肺高血圧症の分子機構における免疫系細胞活性化分子の役割の解明
Project/Area Number |
18659218
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
下川 宏明 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00235681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 直人 東北大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (60291267)
小野 栄夫 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20302218)
星川 康 東北大学, 病院・助手 (90333814)
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Keywords | 肺高血圧症 / 免疫 / 血管リモデリング / 血管内皮 / 低酸素 |
Research Abstract |
これまで我々は、OX40Lが活性化B細胞や樹状細胞、マクロファージなどの抗原提示細胞や血管内皮に発現しており、T細胞と抗原提示細胞のOX40/OX40L系を介する相互作用がT細胞活性化や機能維持に必須であること、さらに、OX40Lの血管内皮における発現は、動脈硬化進行にも重要な役割を有することを明らかにしてきた。 さらに本研究にあたって、低酸素状態(O_210%)で飼育したマウスの肺血管内皮ではOX40Lの発現が亢進し、その周囲にはCD4陽性T細胞の集族が認められることを確認しているが、その病理病態学的意義は全く不明である。こうした未解決の点を踏まえて、本研究では血管病変進行におけるOX40/OX40L系活性化の意義、特に肺高血圧症の重要な病理学的変化である肺動脈リモデリングとの関連を明らかにする目的で、OX40/OX40L系の肺高血圧症進行における意義に関する詳細な基礎的・臨床的研究を行う。まず研究期間の1年目で、以下の検討を行った。 1.OX40L遺伝子導入・欠損マウスにおける肺高血圧の評価 右室収縮期圧および右室重量比、肺動脈リモデリングの評価による肺高血圧の評価を行った結果、OX40L遺伝子導入マウスでは野生型に比してその進行が強く、逆にOX40L遺伝子欠損マウスではその程度が軽度であった。このことから、OX40/OX40L系が慢性低酸素肺高血圧症モデルにおいても重要な役割を有することが確認された。 2.OX40L阻害抗体投与による肺高血圧進行抑制効果の検討 右室収縮期圧および右室重量比、肺動脈リモデリングの評価による肺高血圧の評価を行った結果、阻害抗体投与によって肺高血圧の進行が減弱することが確認された。
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Research Products
(3 results)