2006 Fiscal Year Annual Research Report
アドレノメデュリン受容体の役割の解明と臨床応用を目指した新たな手段の確立
Project/Area Number |
18659231
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
江藤 胤尚 宮崎大学, 理事 (10038854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 和雄 宮崎大学, 医学部, 教授 (50204912)
桑迫 健二 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 助手 (20381098)
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Keywords | アドレノメデュリン / 受容体 / シグナル伝達 / 低分子化合物 / 臨床応用 |
Research Abstract |
(1)アドレノメデュリン(AM)受容体を選択的かつ強力に抑制する手段の確立: AM受容体は3種の受容体活性調節蛋白(RAMP)とカルシトニン受容体様受容体(CRLR)とで構成される。我々はその構成蛋白の遺伝子をHEK-293細胞に共発現させ、受容体複合体の良質な安定発現系を3種樹立した(CRLR/RAMP1,CRLR/RAMP2,CRLR/RAMP3)。これらの安定発現系に添加すべく循環系の組織抽出液(ブタ左心房、左心室、肺、腎臓、副腎)大量に獲得した。今後、1251-AMの結合を抑制する分画を順次精製し、最終的にAM受容体のペプチド性アンタゴニスト(新規)を同定したい。さらに、AMの受容体への結合を抑制するブロッキング抗体や各RAMPの構成蛋白の合成を阻害するsiRNA(低分子干渉RNA)を作製中である。 (2)AMの細胞内シグナル伝達を特異的に増強かつ持続させる手段の確立: CRLRの細胞内シグナリングを著明に増加させるヒトRAMP1の1塩基置換体の同定に成功した。他のRAMPやCRLRでも検討中である。我々は、リガンド依存性に細胞内移行したAM受容体がいずれも細胞膜に再分布せずにライソゾームに集積することを見出した。AM受容体の分解系への誘導を強力に抑制する受容体構成蛋白の変異体を同定すべく、各RAMPの細胞内領域を欠如させて検討したが、CRLRの分解系への誘導は解除されなかった。現在、CRLRの細胞内領域(3つの細胞内ループおよびC末端領域)を標的にした系統的な変異体を多数作製して、AM受容体を分解系に誘導するCRLRの責任領域を絞り込みつつある。加えて、ライソゾームと深く関わっているRab7蛋白の機能をほぼ完全に抑制するドミナントネガティブ遺伝子を2種作製して、それらの安定発現系を樹立した。今後、この系を用いて、各CRLR/RAMP複合体の細胞内動態に及ぼす影響を詳細に検討する予定である。 (3)新規AM受容体の系統的探索: まず、上記のAM受容体を抑制する手段を用いてもAMの効果が抑制されない摘出血管や培養細胞を系統的に探索する。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Functions of the cytoplasmic tails of the human receptor activity-modifying protein components of calcitonin gene-related peptide and adrenomedullin receptors2006
Author(s)
Kuwasako, K., Cao, Y-N., Chu, C-P., Iwatsubo, S., Eto, T., Kitamura, K.
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Journal Title
J.Biol.Chem. 281
Pages: 7205-7213