2006 Fiscal Year Annual Research Report
再生心筋細胞からなる人工ケント束をもちいた、完全房室ブロックの新たな治療法の研究
Project/Area Number |
18659234
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐藤 俊明 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10265796)
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Keywords | 心筋シート / 徐脈性不整脈 |
Research Abstract |
ヌードラットを吸入麻酔下(3% isflolane)人工呼吸管理下にて右側開胸、体表面心電図を記録しながら、心房中隔房室結節領域に無水エタノールを注入し、完全房室ブロックを作製した。房室ブロックは少なくとも30分間房室伝導が再開しない事を確認し閉胸した。手術後、3,7,14日で吸入麻酔下にて体表面心電図にて房室ブロックを確認、小動物用心臓超音波検査を用いて、左室壁厚、左室収縮期直径、拡張期直径、僧房弁流入速度、BNP採血を行い、左室リモデリングおよび、心不全の客観的評価を行った。 また周産期ラット初代培養心筋細胞シートを作製した。周産期ラット心臓はトリプシン処理にて単離、一般的な方法によって細胞培養を行った。培養された細胞はほぼ4-7日程度の培養操作にて、細胞シートの構造を呈するようになり、移植に耐えられる構造をとった。この心筋シートを移植すると、心房と心室の間で電気的な結合を実現させることが可能であることを確認した。その後、房室ブロック作製したヌードラットと1週間後に房室ブロックを生じているラットに対して細胞シートを移植した。細胞シートはFibrin polymer培養皿、またはポリアクリルアミドを固着させた温度感受性培養皿を用いて作製した。また細胞シートは剥離直後に1から4枚を重ね合わせ、30分程度培養器内で結合させる事により、簡単に一枚の厚みの異なる心筋シートが作製可能であった。心筋シートは厚みが薄ければ虚血にはなりにくく、伝導速度も低かった。逆に厚ければ虚血になりやすく、伝導速度が早くなった。本研究により細胞シートの適当な厚みを人為的に決定出来ることが示された。
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Research Products
(3 results)