2006 Fiscal Year Annual Research Report
ハイドロキシアパタイトマイクロキャリアーを利用した造血幹細胞増幅法と移植法の開発
Project/Area Number |
18659276
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
千葉 滋 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (60212049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊野 恵城 東京大学, 医学部附属病院, 特任助手 (90396721)
鈴木 隆浩 東京大学, 医学部附属病院, 客員助手 (40345210)
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Keywords | 造血幹細胞移植学 |
Research Abstract |
骨髄造血幹細胞が自己複製する主要な微小環境が骨表面であることが明らかにされつつある一方、骨の主成分であるハイドロキシアパタイトを含む細胞培養用担体(マイクロキャリアー)が製品開発されている。このことから、ハイドロキシアパタイトキャリアーに可溶型Notchリガンドをコーティングして臍帯血や骨髄由来の造血幹細胞ソースとなる細胞を培養することにより、これまで用いてきた、培養皿に可溶型Notchリガンドをコーティングする方法に比べ、格段に高いレベルで造血幹細胞の増幅を図ることができるかを検討した。 ハイドロキシアパタイト・マイクロキャリアーとしては、ナイロン樹脂をハイドロキシアパタイトで覆ったCELLYARD【○!R】ビーズ(ペンタックス社製)を用いた。これにコントロールFcまたは可溶型ヒトNotchリガンドDelta1-Fcをコーティング可能か評価したところ、十分なコーティングが可能であった(Fc-CYまたはDl-CY)。これらのビーズとともにCD133陽性細胞を8日間共培養し、培養皿に直接Fcをコートした場合(Fc)およびDelta1-Fcをコートした場合(D1)と比較した。その結果いずれのビーズを使用した場合でも、総細胞数の増加はビーズを用いない場合に較べむしろ抑制された。培養後、全細胞中に占める混合コロニー形成細胞(CFU-Mix;最も未分化な細胞を反映する)の割合は、Dl-CYを用いることにより増加した。しかしながら、絶対数が減少しており、CFU-Mixの絶対数は増加しなかった。 したがって、今年度検討した方法では、培養皿に直接Delta1-Fcをコーティングする方法に対する優位性は証明できなかった。 今後ハイドロキシアパタイトを用いることにより、骨表面の造血幹細胞ニッチ類似の培養環境を再構成できるかさらに検討したい。
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Research Products
(7 results)