2006 Fiscal Year Annual Research Report
気管支喘息における新規のTh2細胞維持機構の解明と新規治療の研究開発
Project/Area Number |
18659289
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
有馬 雅史 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (00202763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳久 剛史 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20134364)
幡野 雅彦 千葉大学, バイオメディカル研究センター, 助教授 (20208523)
坂本 明美 千葉大学, 大学院医学研究院, 助手 (90359597)
藤村 理紗 千葉大学, バイオメディカル研究センター, 助手 (30376363)
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Keywords | BCL6 / 転写抑制因子 / ヒストン脱アセチル化 / アポトーシス / DNA損傷 / Th2細胞 / クロマチンリモデリング / IL-4 |
Research Abstract |
平成18年度はIL-4遺伝子の発現調節機構やゲノム安定性に対する転写抑制因子であるBCL6の機能について解析した。 Th2サイトカイン遺伝子クラスターのクロマチンリモデリングに対するIL4BSとBCL6の機能の解析 マウスのTh2サイトカイン遺伝子クラスターの全領域についてBCL6が結合し得る可能性がある塩基配列を検索した。その結果、ヒトとマウスのIL-4遺伝子およびその周辺でBCL6の結合部位を8箇所見出している(IL4BSs)。各IL4BSのIL-4遺伝子の転写調節機能は、レポーター遺伝子解析の結果より、IL-4プロモーター領域に存在するIL4BSにおいてのみ軽度の転写抑制機能を認めた。また、この領域におけるIL-4遺伝子のヒストンアセチル化についではく野生型にくらべBCL6-KoのTh2細胞で軽度の亢進を認めたことから、IL-4遺伝子における転写調節やクロマチンリモデリングに対するBCL6は僅かであることが示唆された。 TCR刺激後のゲノム安定性については、バリアントヒストンであるγH2AXが2本鎖DNA損傷領域に集積することをChip assayによって解析した。その結果、TCR刺激後8-12時間に、野生型のTh2細胞ではIL4BSsに一過性にBCL6の結合を認めた。さらに、刺激16時間では野生型に比べ、BCL6-KoTh2細胞でγH2AXの強い集積がIL4BSsに認めた。また、この時期の細胞死の頻度は野生型に比べ、BCL6-KoのTh2細胞で低下するが、その後急速に細胞死がBCL6-Koで出現した。さらにこの細胞死はBCL6-KoのTh2細胞でP53インヒビターによって強く抑制された。以上より、BCL6は、IL-4遺伝子についてはIL4BSsへの結合を介して、細胞活性化後のゲノムの不安定化に保護的に機能することが考えられた。
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