2006 Fiscal Year Annual Research Report
小児ウイルス感染症制御に向けてのsiRNAおよびmiRNAによるアプローチ
Project/Area Number |
18659297
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牛島 廣治 東京大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10091068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮岸 真 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教授 (30323538)
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Keywords | アデノウイルス / 感染症 / siRNA / アポトーシス / MAPK / PKCα |
Research Abstract |
アデノウイルス2型は呼吸器感染症として知られているが、一方アデノウイルス5型とともにウイルス療法のベクターとして臨床応用するという観点から研究されている。しかし、これらのウイルスはアポトーシスを含む炎症反応を起こすことが知られており、現実的な使用のためには限界がある。そこでここではRNA干渉を利用してアデノウイルス2型によるアポトーシス経路を研究した。 small-interfering RNA(siRNA)発現ベクターのライブラリーを用いて、アポトーシスに関わる遺伝子のスクリーニングを行った。 107の遺伝子について検討した結果、caspase familyでは3遺伝子が、MAPK familyでは7遺伝子が、その他の遺伝子としてcytochrome C、PKCα、NF-κBなど15の遺伝子がアポトーシスとかかわりのあることがわかった。 そこでMAPKとPKCαの関係、及びこれらのキナーゼがアポトーシスにどのように関わるかを調べた。その結果、MAPKはアデノウイルス感染によりMAPKカスケードを通して活性化されること、アデノウイルスはMAPK familyの代表的なkinaseのひとつであるERKを通してNF-κBを活性化することがわかった。NF-κBの活性化によりサイトカイン産生などの炎症反応が誘導することが知られている。また、PKCαによるアポトーシス経路の活性化にはEPKや他のMAPK経路を介さないことがわかった。
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Research Products
(28 results)