2006 Fiscal Year Annual Research Report
感温磁性体素子と平面コイルを用いた3次元温熱療法による皮膚癌治療法の開発
Project/Area Number |
18659318
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
相場 節也 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80159269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 聡 東北大学, 病院・講師 (00271940)
藤村 卓 東北大学, 病院・助手 (50396496)
佐藤 文博 東北大学, 大学院工学研究科, 助手 (60323060)
出口 雅敏 東北大学, 大学院医学系研究科, 助手 (50333787)
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Keywords | 皮膚癌 / hyperthermia / 感温磁性体 / 平面渦巻き型ニイル / メラノーマ |
Research Abstract |
本研究においては、感温磁性体素子を用いた安全かつ有知なhyperthermiaによる癌治療法の確立をめざした。具体的には、マウスB16メラノーマをC57Bl/6 miceの背部皮膚に接種し、約1週間経過し、腫瘍径が5mmになった時点で、工学部佐藤らにより作成された平面渦巻き型コイルとキュウリー温度が50℃,55℃,60℃の感温磁性体素子を組み合わせてhyperthermiaを施行した。その際に、腫瘍内温度、また、全身の体温の上昇の目安として直腸温を蛍光式光ファイバー温度計でモニターした。その結果、 1.キュウリー温度が60℃の感温磁性体素子を用いた際にのみ、有意な直腸温上昇なしに腫瘍内温度を43℃,45℃,50℃に設定することができた。 2,腫瘍内温度を43℃,45℃,50℃に設定し、処理時間を10分とした際には、50℃に設定した時にのみ腫瘍のほぼ完全な消退が確認できた。 3.Hyperthermiaと樹状細胞を用いた免疫療法との併用の可能性を探る目的で、マウス骨髄細胞からの樹状細胞培養の基礎的検討をおこなった。また、その際に、コントロールとして用いる、樹状細胞の活性化に不可欠なシグナル分子であるp38 mitogen activated protein kinaseの欠損マウスからの樹状細胞培養も試み、樹状細胞活性化マーカーの発現を正常マウス由来樹状細胞と比較した。 4.次に、hyperthermia施行後の腫瘍組織を組織学的に観察した。腫瘍組織の病理組織学的変化は、hyperthermia施行後ほぼ48時間後に確認でき、腫瘍内温度50℃、処理時間10分のhyperthermiaで腫瘍全体の凝固壊死を確認できた。それ以外の条件では、部分的に睡瘍の生存が認められ、それが肉眼的な腫瘍の急激な増大に対応するものと思われた。以上の結果より、感温磁性体素子,平面渦巻き型コイルの組合せによるhyperthermiaによる皮膚癌治療における臨床応用の可能性が示された。
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Research Products
(6 results)