2006 Fiscal Year Annual Research Report
アールエヌエー編集障害により発症する遺伝性対側性色素異常症の病態解析
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18659322
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
鈴木 民夫 山形大学, 医学部, 教授 (30206502)
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Keywords | 遺伝性色素異常症 / アールエヌエー編集 / 遺伝性対側性色素異常症 / ノッチシグナル経路 / 遺伝子解析 / 常染色体優性遺伝 / 新規遺伝子変異 |
Research Abstract |
我々は、遺伝性対側性色素異常症(DSH)の原因遺伝子がADAR1遺伝子であることをpositional cloning法を用いて2003年に明らかにした。しかし、ADAR1遺伝子変異がなぜDSHの臨床症状を引き起こすかという点については、現在に至るまで全く解明されていない。そこで、Notch signal pathwayが特に胎生期から幼小児期までの期間に表皮メラノサイトの維持に大きく関わっているとの考えを作業仮設として、そのNotch signal pathwayで機能する分子にA-to-I RNA editingが起こっているかどうかを解析し、DSHの臨床症状形成とADAR1、そしてNotch signal pathwayとの関わりを明らかにする事を研究目的とした。また一方で、新たなDSH症例の集積に努め、遺伝子変異と臨床症状の相関関係の解明を試みた。 (1)NCBIのデータ・ベースよりNotchシグナル伝達経路に関係する分子のcDNAとgenomic DNA配列を取得し、その比較により関係する分子でmRNA配列中で2重鎖を形成可能な部位にA-to-I RNA editingが起こっているかどうかを検索した。しかし、editingが起こっている分子、あるいは部位を見出す事ができなかった。今後、ソフト・ウエアーを変更してさらに検索を試みる。 (2)これまでに我々がDSHの患者で認めた病的アミノ酸置換変異を正常ヒトADAR1cDNAに導入し、変異ADAR1のトランスジェニックマウスを作成する目的で、正常ヒトADAR1cDNAにpoint mutationを加えた変異ADAR1cDNAを作成中である。 (3)DSH患者症例を集積し、10種類の新規遺伝子変異を同定し、その臨床症状と供に報告した。
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