2006 Fiscal Year Annual Research Report
ランゲルハンス細胞に発現したCD1a分子の新しい機能の解明
Project/Area Number |
18659323
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉田 昌彦 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80333532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 良樹 京都大学, 医学研究科, 教授 (30127146)
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Keywords | 生体分子 / 脂質 / 免疫学 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
ヒトグループ1CD1分子(CD1a、CD1b、CD1c)は主として樹状細胞に発現し、脂質抗原をT細胞に提示する新しい抗原提示分子である。表皮の樹状細胞であるランゲルハンス細胞はCD1a分子を高発現し、皮膚における脂質特異的免疫応答において重要な役割を担うと考えられるが、その詳細は明らかではない。そこでモルモットやCD1Aトランスジェニックマウスを用い、脂質抗原に対する皮膚免疫応答を検証する研究を展開した。 まずヒトと類似したCD1システムを有するモルモットを用い、種々の脂質抗原を皮内投与することにより誘導させる免疫応答を検討した。その結果、抗酸菌よりクロロホルム・メタノールを用いて抽出した脂質成分を、抗酸菌感染モルモット投与することにより、表皮への免疫細胞の浸潤を主体とした顕著な皮膚炎が惹起されることを観察した。脂質成分をさらにメタノール、アセトン、クロロホルムを用いて抽出したところ、抗原活性は主としてアセトン分画に存在することが明らかとなった。 一方、この観察をさらに詳細に解析するため、解析に適した小動物モデルの確立を目指した研究を展開した。免疫研究に有用なマウスはヒトグループ1CD1に相当する分子を持たない。そこでヒトCD1Aゲノム遺伝子を単離し、これを導入したトランスジェニックマウスを作製した。得られたトランスジェニックマウスの骨髄よりCD11c陽性樹状細胞を誘導し、フローサイトメトリーによりCD1a蛋白の特異的発現を確認した。
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