2006 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病ベータ・アミロイド・フィブリルとオリゴマーの解析
Project/Area Number |
18659334
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
里 直行 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座助手 (70372612)
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Keywords | アルツハイマー病 / Aβ離散 / curcumin / Aβクリアランス |
Research Abstract |
アルツハイマー病(AD)の原因とされているAβは凝集しやすいペプチドである。このAβ凝集の逆の現象である離散に注目した。何故ならAβワクチン療法により老人斑が消失することにより、Aβの凝集過程が可逆的であることが示されたからである。我々の検討(In vitro Aβ sink assay)により試験管の中においても、Aβの離散過程があることが判明し、より凝集能の高いAβ42(42アミノ酸)がAβ40(40アミノ酸)に比べ離散しにくいことが判明した(Sato et al. Neurobiology of Disease (2006))。 さらにcurcuminが離散を増強させることを既報の通り、In vitro Aβ sink assayにおいてAβ ELISAを用いて定量的に示し報告した。しかし、curcuminによって増加した可溶性Aβがどのような性質を持つものなのか明らかでなかった。本年度、我々はIn vitro sink Aβ assayにおいてゲルろ過を用いてcurcuminにより増加した可溶性Aβは高分子オリゴマーではなく低分子オリゴマー(16K以下)ないしモノマーであることを見出した。高分子オリゴマーは神経毒性がある為、この結果はcurcuminの臨床応用を支持する。 さらにcurcuminが脳内で凝集Aβ(=老人斑)に離散を働きかけた場合、脳内の可溶性Aβは増加してしまうと考えられる。そうした場合curcuminは脳内からの可溶性Aβのクリアランスを増やすことが出来るかを検討した。脳室内にAβを投与し認知機能を障害させるモデル(Aβ injection model)においてcurcuminは脳内のAβ蓄積を抑制することが判明し、Aβクリアランスを増大させている可能性が示唆された。 ADの治療を考える上でAβ離散およびAβクリアランスの検討は今後重要性を増すと考えられた。
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[Journal Article] Development of new screening system for Alzheimer Disease, in vitro Aβ sink assay, to identify the dissociation of soluble Aβ from fibrils.2006
Author(s)
Sato N, Okochi M, Taniyama Y, Kurinami H, Shimamura M, Takeuchi D, Hamada H, Fukumori A, Kiyosue K, Taguchi T, Tanaka T, Miyasaka M, Takeda M, Ogihara T, Morishita R
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Journal Title
Neuobiology of Disease 22
Pages: 487-495
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