2006 Fiscal Year Annual Research Report
放射線治療における体内埋め込み無線型リアルタイムマイクロ線量計の開発
Project/Area Number |
18659341
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山田 章吾 東北大学, 病院, 教授 (60158194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 洋平 東北大学, 工学研究科, 教務職員 (50359535)
仲田 栄子 東北大学, 医学部, 助手 (60375201)
森 一生 東北大学, 医学部, 教授 (90375171)
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Keywords | 放射線治療 / 体内埋め込み式 / マイクロ線量計 / リアルタイム / CdTe半導体 |
Research Abstract |
放射線治療は定位放射線治療、強度変調放射線治療(IMRT)に始まり、近年急速に進歩している分野で、照射精度の向上も著しい。にもかかわらず過剰照射、過少照射などの放射線治療医療事故が多発している。こうした医療事故の根本原因は体内の照射線量をリアルタイムにモニタができないことに起因している。リアルタイム式体内刺入型マイクロ線量測定システムが開発されれば、その信号を元に治療装置の制御が可能であり、正確な照射線量投与と同時に、医療事故を皆無とすることができる。本システムは放射線治療を行う上で必須のシステムであるが、放射線検出方法および体外モニタリングがきわめて困難なことから、開発に至っていないのが現状である。私どもは、工学系研究科の石井研究室との共同研究により、実際のリニアックによる線量率1〜6Gy/minのX線照射に対してCdTe結晶が線量に比例して20〜90nAの微弱な電流を発生することを確認した。本電流は照射開始と同時に発生し、照射終了と同時に止まることも確認しているので本線量計によりリアルタイムのモニタリングが可能である。微弱な電流を増幅し、体外で信号を受信する通信方法にはRF-ID方式がよく、通信搬送波13.5kHzが最適で、体内20cmからの信号受信には総電力として10^<-6>W程度の電力供給が必要なことを実験および計算から得た。現在、増幅電池、および発信コイルを含めた刺入デバイスを体内に刺入可能な直径2mm以下、長径15〜20mm以下にすべく開発を行っているところであり、基礎実験をふまえ、早急に実用化を図る予定である。なお本研究は「体内埋め込み型リアルタイム式マイクロ線量計装置ならびに測定方法」として2007年3月特許を取得した。
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