2006 Fiscal Year Annual Research Report
医療用MRIにおける微小領域可視化を可能にするNMRプローブの開発
Project/Area Number |
18659346
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福田 耕治 京都大学, 医学部, 教授 (50123500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 智弘 京都大学, 医学部, 助手 (10379034)
福山 秀直 京都大学, 医学研究科, 教授 (90181297)
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Keywords | 医療用MRI / 微小領域可視化 / NMRプローブ / 画像解像度 / 表面コイル / 前置増幅器 |
Research Abstract |
現状の医療用MRIの画像解像度(数mm程度)を向上させ、従来まで不可能であった小さな腫瘍等の可視化を可能とするのが本研究の最終的な目的である。本研究では既存の医療用MRIに簡便なNMRプローブを付加し、微小領域の可視化を目指している。NMRプローブは半径1cm程度の超小型表面RFコイルを核とする共振回路とPreAmp(前置増幅器)を組み合せたものを開発する。 本研究では、臨床用MRIでとして、京都大学高次脳機能総合研究センターが所有するSIEMENS社製TRIO(3T)を使用する。そこで、本年度はSIEMENS社と研究開発に関する取り決めを結び、TRIOのコイルInterfaceに関する情報提供をSIEMENS社から受けた。TRIOのInterfaceからの要請により、中心周波数123.20MHz、利得27dBのPreAmpの同時使用が必要となる。そこで、Advanced Microelectronics Technology社(AMT社)の低磁性超小型PreAmpを導入した。また、冷却可能なPreAmpを開発しテストを行なった。しかし、冷却可能な素子であるGaAs Transistorは強磁性体であるNiのコーティングがなされているため、コイルの近傍に設置できないことが分かった。AMT社製のPreAmpとも比較検討を行い、非磁性PreAmpを開発する予定である。表面コイルの開発に当たり、MR信号強度と測定深度の関係および表面コイルの形状と共鳴回路のQ値の関係を調べ、信号雑音比に対して最適化された表面コイルの形状を求める必要がある。さらに、表面コイルにPreAmpを組み込み、共鳴回路からの得られる信号ロスを最小化する必要がある。表面コイルを含む共鳴回路の最適化のために、(1)標準信号発生器(KENWOOD SG-7130)と、(2)Digital Oscilloscop (Tektronix DPO4032)を導入した。(1)(2)と高周波回路部品と組み合わせ、Network-analizerを構成させ、表面コイルとPreAmpが一体化した共鳴回路の特性を検査・最適化が可能となった。さらに、300MHz帯域まで使用可能な(2)を用いることで、本年度に導入されたBruker社の7T動物用MRIにおけるNMR信号の観測・評価が可能となった。次年度には7T動物用MRIにおけるMRプローブの開発も合わせて行なう予定である。
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