2007 Fiscal Year Annual Research Report
医療用MRIにおける微小領域可視化を可能にするNMRプローブの開発
Project/Area Number |
18659346
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上野 智弘 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (10379034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福山 秀直 京都大学, 医学研究科 (90181297)
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Keywords | MRI顕微鏡 / TRIO |
Research Abstract |
現状の医療用MRIにおける数mm程度の画像解像度を向上させ、従来まで不可能であった小さな腫瘍等の可視化するのが本研究の最終的な目的である。本研究では既存の医療用MRIに簡便なNMRプローブを付加することにより、微小領域の可視化を目指している。NMRプローブは半径1cm程度の超小型表面RFコイルを核とする共振回路とPreAmp(前置増幅器)を組み合せたものを開発する。本研究では、臨床用MRIとして、京都大学医学研究科附属高次脳機能総合研究センターが所有するSIEMENS社製TRI0(3T)を使用した。人体への応用の前段階として、マウスの脳のスライスという組織を高解像度で観測するためのNMRプローブを開発した。これは臨床用として小型のプローブの重要性を示唆するものとなっている。開発したプローブは直径20mmのヘルムホルツ型コイルを核とする共振回路、送受信スウィッチ、前年度導入した前置増幅器からなる。組織の入れ替え時の簡便性のため、プローブを送受信用とした。コイルからキャパシタンスまでの距離を最小化することで、共鳴回路をコンパクトさせ、回路のQ値を100程度まで高めることができた。さらに、送受信スウィッチにλ/4回路を用いることで、PreAmpと共鳴回路の距離を2cm程度まで縮めることができた。しかし、導入したPreAmpと共振回路のインピーダンスの整合を正確に取ることができず信号損失につながってしまった。また、共振回路とTrioとの間にグラウンドループが発生してしまい、画像のアーティファクトを生じさせる結果となってしまった。19年度においては、所属部局の耐震補強工事に伴い、7Tの動物用MRIの使用ができなくなってしまったので、動物用に関しては行なわなかった。また、共鳴回路の冷却実験として、回路全体を4Kまで冷却し、直径200μmの円筒中のヘリウム3の可視化も合わせて行なった。
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