2006 Fiscal Year Annual Research Report
人工材料感染に対するCRPの応用:新しい予防法・治療法の開発を目指して
Project/Area Number |
18659358
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
笹嶋 唯博 旭川医科大学, 医学部, 教授 (20109515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 一博 旭川医科大学, 大学病院, 医員 (90400100)
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Keywords | 感染創 / CRP / 人工材料 / 人工血管 / 人工血管感染 |
Research Abstract |
入工血管やペースメーカの感染をはじめとして、感染はすべての人工材料治療を無駄にする合併症であり、またその感染治療自体が死亡率の高い治療困難な病態である。CRPはマクロファージを活性化し、生体の感染防御機構を増強することが古くから知られているが、本研究は人工材料の感染を含め、すぺての局所感染症を治療する有効な方法として生体の感染防御機構の増強に着目した治療法の開発を目指している. 平成18年度は、臨床的に問題となるMRSAをE.Coli,を主な対照として、Staphylococcus aureus, S.epidermisを加えたP2レベルの細菌を対象に実験施設の整備を行った。まず人工血管の皮下埋込みによる至適な感染モデルを確立するため、ラット以外にウサギ、イヌを用いてモデル作成を試みた。その結果、ラットの使用により皮肉にも生体の感染防御機構の増強が感染を抑止しうることが証明される結果となった。即ち、ラットなど齧歯類は10^8個/mlの高濃度でも感染を成立させることができず、生体の感染防御機構の賜と推察されたが、最終的にイヌが選択しうる唯一の動物モデルであるとの結論に達した。イヌの使用が必須となったことから、実験施設の整備(国立大学動物実験施設協議安全対策の安全度2)を追加し、人工血管6mm径に上記細菌を埋植し、皮下感染実験を開始した。CRP添加群と非添加群では感染成立に明らかな相違を示したことから、さらに皮下埋込み実験により添加条件や併用抗生物質の使用法などについて明らかにし、最終的にイヌ腹部大動脈人工血管埋込み実験を行い、感染予防効果や治療効果を明らかにし、新しい治療法の開発につなげる計画である。
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