2006 Fiscal Year Annual Research Report
米国国立癌研究所公開データを有効利用した抗癌剤輸送膜蛋白の解明
Project/Area Number |
18659359
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 照忠 東北大学, 病院, 助手 (30312143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 康 東北大学, 病院・助手 (40282074)
小山 淳 東北大学, 病院・助手 (80436112)
木内 誠 東北大学, 高等教育開発推進センター, 助手 (90422146)
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Keywords | 癌 / 膜輸送蛋白 / 薬剤感受性 |
Research Abstract |
米国National Cancer Institute(NCI)には、NCIが所有する代表的な60種類の癌細胞株(NCI-60)の、100,000種におよぶ薬剤に対する感受性データが存在する。細胞膜において、様々な物質の取り込みを担うトランスポーターであるSolute Carrier(SLC)ファミリーの中から、抗癌剤を基質とするものを明らかにすることが目的であるが、それを、NCI-60におけるSLCの遺伝子発現パターンと薬剤に対する感受性パターンとの相関解析から求めようとすることが本研究の特徴である。 これまで、SLCの中のサブファミリーであるSLCOとSLC22併せて29の遺伝子について、NCI-60における発現を調べることを終了した。遺伝子発現量の測定には、TaqManプローブ(Applied Biosystems)を用いたリアルタイム定量RT-PCR(ABI PRISM 7900HT)を用いた。次に、100,000種の薬剤中1,429種に対するNCI-60の感受性パターンと、遺伝子発現パターンのPearson correlation coefficientを算出した。あるSLCの発現が高いほどある薬剤に対する感受性が高いという相関が認められる場合、その薬剤は、相関があるSLCによって取り込まれている可能性がある。解析の結果、高い相関を示すSLCと薬剤の組み合わせが複数抽出された。現在、候補に挙がったSLCのなかの一つSLCO4C1を高発現させたHEK293変異細胞株とmockベクターをトランスフェクトした株を用いて、候補となった薬剤に対する感受性に差が出るか否かを、細胞増殖抑制試験にて調べているところである。薬剤に対する感受性がSLCO4C1トランスフェクタントで上昇していれば、そのSLCが感受性に寄与していると考えることができる。
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