2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18659397
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三田村 好矩 北海道大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (70002110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村林 俊 北海道大学, 大学院情報科学研究科, 助教授 (30200306)
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Keywords | 細胞培養 / 生体磁気 / 再生医療 / 細胞・組織工学 |
Research Abstract |
低周波磁場による心筋再生促進の研究を行い,培養心筋細胞への低周波磁場曝露が,心筋細胞の再生促進や機能向上を可能にするかを検討することを目的とした. 安定した培養心筋細胞の取得を可能とするために,心筋分離方法と培養方法について検討し,心筋培養条件を確立した.生後1〜5日目のWister系新生児ラットより心臓を摘出し,心筋の細切,酵素処理(0.1% Collagenase)により心筋細胞分離を行う.前培養を行い,線維芽細胞などの付着性細胞を除去する.さらに遠心分離・メッシュ(25μm)通過により不要物を除去し,細胞数を5×105 cells/mLに調整し,37℃・5%CO2環境下で培養する. また培養器内で細胞に一様な磁場を曝露できる装置を制作した.ヘルムホルツコイル(半径:133mm,巻数:270回,2つのコイル間距離:50mm),信号発生器,増幅器からなる磁場曝露装置を製作し,磁束密度:0〜10mT(実効値),正弦波,周波数:25〜250Hzの磁場曝露を可能とした. 実験により次の知見を得た. 1.細胞増殖能に対する低周波磁場の影響 1.5mTの磁場を1日4時間培養心筋細胞に曝露したところ,非磁場曝露群に対して,有意に(p<0.05)細胞数が増加した. 2.心筋細胞の拍動数に対する低周波磁場の影響 1.5mTの磁場を1日4時間培養心筋細胞に曝露した群では,拍動数は164bpm,非磁場曝露群では130bpmと磁場曝露群で高い拍動数を示した. 3.磁場効果における誘導電流の関わり 上で得た結果が磁場によるものか,誘導電流によるものなのかを検討するため,同心円環状に区切った培養皿を製作し,磁場曝露培養実験を行なった.すなわち,区分ごとで同じ磁束密度が曝露されるが,異なる誘導電流が流れるようにした.その結果,誘導電流が大きくなると,磁場曝露群の細胞数が対照群に比べ増加したが,ある値を境に増加率は減少した.すなわち,誘導電流の関わりが示唆された.
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Research Products
(1 results)