2006 Fiscal Year Annual Research Report
Biodegradable DC patchの開発-開心術後afに対する除細動-
Project/Area Number |
18659401
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
渡邊 剛 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (60242492)
|
Keywords | 外科 / 生体材料 / バイオ関連機器 |
Research Abstract |
1)ポリイオンコンプレックス法によるゲル膜の調整とその成型加工 カルボキシル基を有する多糖(ピアルロン酸)とカチオン性ポリアミノ酸(ポサリジン)による混合水溶液を任意の形状の型に注入し、凍結乾燥させた。縮合剤を含むエタノール混和水に浸漬させ、ゲルを化学架橋した。この混和水により、多糖のカルボキシル基が活性化され、多糖に含まれる水酸基とエステル結合し、さらにカチオン化合物のアミノ基とアミド結合させ、不溶化させたゲルを作製した。 2)ゲル膜の強度、心筋への接着性 成豚を全身麻酔下にて胸骨正中切開し、心臓を露出する。心表面に1)にて調整したゲル膜を留置し、心拍動下でのゲル強度、心表面との接着性について検討した。 3)成豚を用いた心房細動誘発後、除細動試験、分解、消失性評価。 1)、2)にて調整したゲル膜と除細動リードを全身麻酔下に胸骨正中切開して心臓を露出した成豚の右房、左房に留置する。心房細動誘発用ペーシングワイヤーを肺静脈に留置する。留置当日、第一病日、第三病日、第五病日、第七病日に肺静脈をburstpacingし、心房細動を誘発し、その後除細動を行い(0-5Jずつ除細動可能なエネルギーまで出力を上げていく)、9除細動閾値とシステム全体の抵抗値を測定した。また、そのまま、ゲルを留置し、ゲルの分解性、消失性について肉眼的、病理学的評価を行った。 結果:1)2wt%ピアルロン酸、ポリリジン(モル比、1:2)と除細動ワイヤーからなるゲルパッドを作製した。2,3)心房細動を誘発された成豚はすべて除細動可能であった。除細動に要した全体的な平均エネルギーは1.67±1.00J、リードインピーダンスは75.9±13.3Ωであった。除細動リード抜去時の合併症はなかった。留置後1ヶ月後のゲル分解性の肉眼的、病理学的評価では、ゲルパッドは菲薄しており、周囲組織との著名な炎症所見はみられなかった。
|