2006 Fiscal Year Annual Research Report
COPDに対するintrathoracic balloon pumpingの開発
Project/Area Number |
18659402
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
白橋 幸洋 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (40362149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹村 博文 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20242521)
岩田 尚 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (90303495)
松本 真介 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (40397352)
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Keywords | 肺気腫 / 胸腔内バルーン / 補助呼吸 |
Research Abstract |
本研究は,II型呼吸不全を呈する末期の肺気腫症例において,胸腔内にバルーンを留置,pumpingさせる体内式呼吸補助装置の作成を目的としている.今回の研究では,バルーンを用いた補助呼吸により,血液ガス所見や1秒量,残気量などの呼吸機能の改善の程度を評価し,その上で胸腔に対する適切なサイズのバルーンの作成することが目的である. 一方,肺気腫は肺胞構造の破壊に伴い,肺血管床が減少し肺高血圧の状態を招来する.さらにバルーンを留置し膨張させることで,肺高血圧を増悪させる可能性がある.今回はその病態を考慮し,ラットの右肺の三葉を切除することにより,人工的な肺高血圧の状態を作成し,これにより右心室などの循環系にどのような影響を及ぼすかについてpreliminaryな実験を行った.さらに,対側肺に生じる肺の過膨張の評価を行い,肺気腫成因のメカニズム解明の一助になると考え実験を行った.また,三肺葉切除することによって生じるスペースから適切なサイズのバルーン作成の参考とした. 今回の実験はラットを人工呼吸器下に右上,中,下葉を切除した群(RPN群)と開胸のみの群(C群)3週間後の状態における対側肺の容積(V),肺動脈圧(PA),体重に対する右心室の重量の比(RV/BW)を評価した.VはRPN群5.56±1.02,C群で2.75±0.28で有意差を認めた.PAはRPN群で20.67±2.66mmHg,C群で13.4±2.07mmHgと有意差を認めた.RV/BWはRPN群9.27±0.54,C群で5.73±0.39で有意差を認めた.病理学的には対側肺の肺胞問距離が増大していた.以上より右三肺葉切除により対側肺の膨張と右心系への負荷を生じることが判明した.これを考慮し,三肺葉の容積よりも少ないサイズのバルーンの作成することとし,次回は実際のバルーンを用いた評価を行う予定である.
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