2006 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌における分子標的としての上皮成長因子受容体遺伝子の薬剤感受性と耐性機序の解明
Project/Area Number |
18659410
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
杉尾 賢二 産業医科大学, 医学部, 助教授 (70235927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花桐 武志 産業医科大学, 医学部, 講師 (30299614)
野添 倫浩 産業医科大学, 医学部, 助手 (90325457)
浦本 秀隆 産業医科大学, 医学部, 助手 (90389445)
菅谷 将一 産業医科大学, 医学部, 助手 (40352306)
安元 公正 産業医科大学, 医学部, 教授 (30150452)
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Keywords | 肺癌 / 腺癌 / EGFR / チロシンキナーゼ阻害剤 / gefitinib / 耐性 / 喫煙 / K-ras |
Research Abstract |
非小紬胞肺癌における、上皮成長因子受容体(Epidermal growth factor receptor : EGFR)遺伝子を標的分子としたチロシンキナーゼ(TK)阻害薬gefitinibの感受性と耐性に関わる解析を行った。 1.EGFR遺伝子変異の高感度検出法の確立とGefitinib感受性・耐性に関する変異の同定 PCRを基本としたmutant-allele specific anmplification法にて、exon21 L858R変異は、正常細胞1000個中に癌細胞1個の感度で検出可能な系を確立した。 肺癌469例のEGFR遺伝子変異の解析を行い、腺癌の42.2%に変異を認め、女性、高分化型、非喫煙者もしくは既喫煙者に有意に多く認められ、EGFR変異は喫煙との関係が深いことを報告した。 2.EGFR遺伝子変異のGefitinibに対する感受性と耐性機序の解明 gefitinibを投与した非小細胞肺癌患者20名の原発肺癌のEGFR遺伝子変異の有無を解析し、9名の腫瘍にEGFR変異を認め、うち6名がexon19欠失で、3名がexon21 L858R点突然変異であった。Gefitinibの奏効率は、変異例9例中7例(77.8%)に対し、野生型症例11例に奏効例はなく、予後も有意に変異例で良好であった。また、gefitinibに奏効した症例で、後に耐性となった4症例の腫瘍のEGFR変異の有無について解析したところ、3例の耐性腫瘍にEGFRのexon207790M点突然変異を検出し、獲得耐性に関与する変異と考えられた。 当研究室で樹立した肺癌細胞株21種のEGFR変異を解析し、うち1例にexon19欠失、1例にexon21 L858R点突然変異を認めた。今後これらの肺癌細胞株を用いて、感受性と耐性のin vitro assayに用いる予定である。
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Research Products
(8 results)