2007 Fiscal Year Annual Research Report
老化抑制遺伝子Klothoの発現調節に関する萌芽的研究
Project/Area Number |
18659436
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川口 浩 The University of Tokyo, 医学部・附属病院, 准教授 (40282660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 修一 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80401066)
原 慶宏 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00422296)
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Keywords | 老化 / klotho / 転写制御 |
Research Abstract |
1)Klothoプロモーターの転写制御アッセイシステムの確立 平成18年度に行った研究の結果、klotho遺伝子のプロモーターは、転写開始点から上流124bpという非常に短い領域で強い転写活性を有し、かつヒトとマウスのプロモーター配列の比較により、2つの種間高度保存領域(-98bp〜-68bp、-53bpから〜15bp)が存在することを突き止めた。これらをA-box、B-boxと呼ぶこととし、A-boxはそのコピー数に応じて転写活性の上昇を示したことから、より転写調節領域として重要であると考えられた。 2)klotho上流分子の網羅的探索 得られたエンハンサー配列を6個タンデムにつないだ配列(A-box×6)を用いたTet off発現クローニング及びファージディスプレイを用いたサウスウェスタンスクリーニングを行い、上流分子の候補の探索を行った。その結果、ミトコンドリアの内膜に存在することが知られている輸送タンパクであるSAMC及び、転写因子CEBP family分子であるCEBPDが同定された。SAMC及びCEBP familyに属する転写因子の発現ベクターを作成しルシフェラーゼアッセイを行ったところ、SAMC,CEBPB,CEBPD,CEBPEによりklothoの転写活性が上昇した。次いで、これらの発現ベクターを用いてHEK293、Huh-7、HeLa細胞に過剰発現させ、klothoのmRNA誘導能をreal time RT-PCR法により確認したところ、SAMCによるklothoのmRNA誘導能は認められなかったが、HeLa細胞にCEPPB,CEPPDを過剰発現させると、klothoのmRNAレベルは2倍程度に上昇することがわかった。今後、EMSA法、クロマチン免疫沈降法を用いて実際にプロモーター領域にこれらの分子が結合することを確認する予定である。
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