2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18659443
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
伊藤 守弘 中部大学, 生命健康科学部, 講師 (10281081)
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Keywords | 破骨細胞 / 細胞融合 / Fusion Regulatory protein / 血液単核細胞 / 骨代謝 |
Research Abstract |
生体が発生し、かつその生命機能を維持するためには種々の様式の膜融合が必要である。このような生理的膜融合のうち受精や筋形成における細胞融合あるいは細胞内物質輸送における膜融合の分子機構にはまだ不明な部分も多いが、これらを媒介する蛋白群が同定されつつあり、さらに複雑な分子間相互作用を伴っていることが確実となった。我々の研究グループは、ウイルス誘導細胞融合を制御している機能分子、Fusion Regulatory protein-1(FRP-1)とFRP-2を世界に先駆けて明らかにした。FRPsは細胞接着因子としての活性を有している。FRP-1分子を刺激する事により、細胞融合を人工的にコントロール出来る様になり、このシステムを用いて、細胞融合とその制御の分子機構を明らかにし、世界に発信して来た。 血液単核細胞の中には単球にFRP-1分子が選択的に発現しており、非常に興味深い事に、血液単球に抗FRP-1抗体を作用させると24時間以内に多核巨細胞が形成される事を見出した。この多核巨細胞を10日間程度培養すると、TRAP陽性、カルシトニンレセプター陽性、骨溶解活性陽性の破骨細胞様細胞に変化する事を証明した。 本研究の真の目的は、破骨細胞の形成機構と破骨細胞形成因子の同定であるが、破骨細胞を誘導するシステムはこれまでにいくつか報告されている。しかし、我々のグループの見出した抗FRP-1抗体を血液単球に作用させる系は、最も単純な系であり、大量の破骨細胞を得る事の出来る優れた系である。この事は、FRP-1のLigandが破骨細胞形成因子である可能性を強く示唆するものである。これまでに行った研究で、FRP-1 Ligandが骨肉腫由来細胞において高度に発現している事を見出した。そこで、この骨肉腫由来細胞膜タンパク質でFRP-1と親和性を示すものをリガンド分子の候補としてクローニングする事を現在行っている。
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Research Products
(6 results)