2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18659454
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses |
Principal Investigator |
伊藤 和幸 Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses, 研究所, 部長 (20301806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 潔子 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), 研究所, 主任研究員 (40342993)
吉川 秀樹 大阪大学, 医学研究科, 教授 (60191558)
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Keywords | 骨形成 / 骨芽細胞 / 細胞運動 / IGF-1 / PI3-kinase / フィブロネクチン |
Research Abstract |
「目的」骨格形成や骨折治癒の際、骨形成部位に骨芽細胞やその前駆細胞が動員され骨形成が進行する。本研究では、骨折および骨粗鬆症治療、骨再生医療などへの臨床応用をめざし骨芽細胞が必要とされる部位へ移動するメカニズムの解析を行った。 「方法」細胞培養液を8μmの小孔を有するPET膜で隔て、上層に骨芽細胞を、下層にchemoattractantを入れて培養し、下層に移勤した細胞数を定量する系(Boyden Chamber法)を用いて骨芽細胞移動を促進する物質を探索した。未分化骨芽細胞株であるMC3T3-E1細胞の無血清培養上清がMC3T3-E1自身に対して強力なchemoattractantとして作用することを見出し、これを材料として種々のクロマトグラフィーおよび質量分析器(LC-MS/MS)を用いて目的タンパク質の同定し、生物学的活性を検討した。 「成績」MC3T3-E1細胞の無血清培養上清中に多量に存在するフィブロネクチノが骨芽細胞自身に対して強力にhaptotaxisを誘導することを見出した。また、培養上清中からフィブロネクチン以外に細胞運動の誘導に関与が示唆されているタンパク質を数種同定、主な因子であるinsulin-like growth factor 1(IGF-1)に関して詳細な検討を行い、IGF-1が特に細胞運動の方向性(極性)形成に関与する知見を得た。(論文投稿中) 「今後の方向」JIGF-1はIGF Receptorを介して細胞に信号伝達し、下流でphosphatidyl inositol(PI) 3-kinaseを活性化して作用することが種々の細胞で報告されている。現在PIを動物体内、細胞内で可視化できるtransgenic mouseを秋田大学病理病態学佐々水雄彦教授より供与頂き、IGF-1の動物体内における骨芽細胞動員に関する役割に関して、実験を行い、新規治療法の開発をめざす。
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Research Products
(9 results)