2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18659460
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
正田 丈裕 京都大学, 医学研究科, 助手 (60335263)
|
Keywords | オピオイド / 免疫抑制 / T細胞 / オピオイド受容体 / RT-PCR |
Research Abstract |
<背景>オピオイドの有害作用には免疫抑制があり、少なくともその一部は免疫担当細胞に発現するオピオイド受容体を介することが報告されているが、不明の点が多い。平成18年度は、ヒト末梢血T細胞(HPBTC)におけるオピオイド受容体発現について分子生物学的に検討した。 <方法>健常成人末梢血からCD3(+)T細胞を単離し、total RNAを抽出した。μオピオイド受容体(MOR1およびμ3)、κオピオイド受容体(KOR1)mRNAの塩基配列をもとにPCRプライマーを作製し、RT-PCRによってHPBTCにおけるこれらの受容体発現について解析した。 <結果と考察>HPBTCから抽出したtotal RNAを鋳型としたRT-PCRの結果、MOR1、μ3、KOR1の全蛋白翻訳領域を増幅するようなプライマーでは、それらの受容体のmRNAの存在は明らかにされなかった。一方、KOR1のExon2〜3を増幅するPCRプライマーでは増幅産物が検出され、塩基配列決定の結果、KOR1の一部であることが明らかになった。しかし、KOR1のExon1〜2を増幅するようなPCRプライマーでは増幅産物が得られなかった。これらの結果は、HPBTCにはκ受容体のアミノ末端領域スプライシング変異による亜型が発現していることを示唆する。 <今後の展望>現在、KOR1のExon2〜3に新たなプライマーを作製し、rapid amplifying cDNA ends(RACE)法にてその5'領域のクローニングを試みている。
|