2006 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌かく乱物質による精子形成不全と協調するタンパク質DJ-1
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18659467
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
有賀 寛芳 北海道大学, 大学院薬学研究院, 教授 (20143505)
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Keywords | DJ-1 / パーキンソン病 / 酸化ストレス / ミトコンドリア / チロシンヒデロキシラーゼ / 活性酵素 / 癌遺伝子 / 神経変性疾患治療薬 |
Research Abstract |
我々が癌遺伝子として単離したDJ-1は家族性パーキンソン病(PARK7)の原因遺伝子でもある。パーキンソン病は酸化ストレス、ミトコンドリアのcomplex1の機能阻害、異常タンパク質の凝集が原因と考えられているが詳細な分子機構は明らかでなかった。酸化ストレスの原因物質として、内分泌かく乱物質を含む神経毒が考えられており、DJ-1は種々の内分泌かく乱物質のターゲットと考えられる。 内分泌かく乱物質とDJ-1との関連を鋭敏に観察できる系として、メダカが知られている。、そこで、まずメダカDJ-1の遺伝子を単離し、抗体作成を行つた。メダカDJ-1はヒトDJ-1と約70%のアミノ酸の類似性があった。また、DJ-1機能に重要なアミノ酸であるC106,K130などは完全に保存されていた。 次に、内分泌かく乱物質であるビスフェノールA、ノニルフェノールを暴露したメダカ細胞におけるDJ-1の動態観察を行った。ビスフェノールA、ノニルフェノールはメダカ細胞に活性酸素産生を誘導し、それに伴ってメダカDJ-1の発現上昇、DJ-1の酸化型への変換が起こった。更に、DJ-1はビスフノールA、ノニルフェノール誘導細胞死を抑制した。このように、メダカDJ-1系は内分泌かく乱物質の作用機作の解析に有用な系であることが明らかとなった。
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