2006 Fiscal Year Annual Research Report
精子運動能を改善する合成ペプチドの同定とその機序解明
Project/Area Number |
18659468
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
大山 力 弘前大学, 医学部, 教授 (80282135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和 隆 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (50400156)
古家 琢也 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (60321965)
盛 和行 弘前大学, 医学部, 助手 (40266903)
米山 高弘 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (90374834)
萩沢 茂 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (30419973)
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Keywords | 精子 / 運動能 / ペプチド / トロフィニン |
Research Abstract |
本年度はトロフィニンを認識する(接着する)合成ペプチドの中から、マウス精子尾部に存在するダイニンを介して運動能を亢進させる"合成ペプチド"の同定を行った。精子の鞭毛にはダイニンというタンパク質が存在し、鞭毛の運動モーターとして機能する。ダイニンには内腕、外腕があり、内腕にはt-complexの遺伝子産物として同定されたTctex1というタンパク質が存在する。t-complexは精子の運動性に関与し、男性不妊と関係していると考えられている。タスティンは内腕ダイニンのTctex1に結合していることが報告されており、トロフィニンはタスティンとTctex1を通じてダイニンに結合していると思われる。Phage display random peptide library法によって検討した結果、GWRQのシーケンスを持つ合成ペプチドが同定された。さらに、トロフィニンを介したシグナル伝達を検討するために、モノクローナル抗体の代替で使用した合成ペプチドGWRQの検討により、トロフィニンがEGFRの活性を調節している可能性が示唆された。 さらに、男性不妊症の精巣生検で採取したパラフィン包埋切片を用い、抗トロフィニンル抗体、抗タスティン抗体、抗ビスティン抗体にて、免疫組織学染色を行い、精子のトロフィニン、タスティン、ビスティンの発現を検討したところ、トロフィニンがヒト精子に発現していることを確認した。
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