2007 Fiscal Year Annual Research Report
腎移植後の慢性拒絶反応の早期発見へ向けた新しい試み
Project/Area Number |
18659473
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
椎名 浩昭 Shimane University, 医学部, 准教授 (70187318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井川 幹夫 島根大学, 医学部, 教授 (30159587)
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Keywords | 慢性拒絶反応 / 腎移植 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
移植腎における慢性拒絶反応が進行する背景には、ある種の遺伝子群の発現の変化、すなわち遺伝子のプロモーター領域でのメチル化の度合いが関与する可能性がある。我々はこのepigeneticな変化が慢性拒絶反応の進行に関与すると仮定し、ラット慢性拒絶反応モデルを作成し、cDNA microarrayを用いて遺伝子発現の点から検討した。慢性拒絶モデルラットと対照正常ラットから摘出した腎臓組織よりtotal RNAを抽出、調整し、cDNA microarray(フィルゲン社)を行い両者間での発現の有無(シグナル強度)に相違を認める遺伝子群を検討した。Microarray Data Analysis tool(フィルゲン社)と「Cluster and TreeView」(統計解析フリーソフト)によりクラスター解析を行い、発現の相対的比率(慢性拒絶腎臓/正常対照腎臓)が2以上を発現亢進、0.5以下を発現低下と判断し、アポトーシス関連、細胞周期関連、サイトカイン関連、キナーゼ関連、リセプター関連、シグナルトランスダクション関連、免疫関連、転写関連に分けて検討した。全体としては対照腎臓と比較し約3000の遺伝子が慢性拒絶腎で変動しており、うち発現亢進群と発現低下群の比率は約1:2の比率で、慢性拒絶腎では発現低下に至る遺伝子が多いことが示唆された。しかしクラスター解析では免疫関連遺伝子、あるいはシグナルトランスダクション関連遺伝子の発現の数的変化は亢進群と低下群に差はなく、アポトーシス関連遺伝子あるいはサイトカイン関連遺伝子では数的な変動が観察され、これら遺伝子が慢性拒絶反応の進行に関連する可能性が想定された。
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