2007 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱上皮内癌部位診断へのナノ光触媒ハイブリッド微粒子の応用研究
Project/Area Number |
18659476
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
窪田 吉信 Yokohama City University, 医学研究科, 教授 (10106312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
姚 燕燕 横浜市立大学, 医学研究科, 特任助手 (90381574)
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Keywords | 光触媒 / ナノ粒子 / 膀胱癌 |
Research Abstract |
本研究では、ナノ光触媒微粒子を膀胱癌の診断面に応用することの技術的課題の検討を試みた。 1.酸化チタン微粒子を水溶性にする必要があり、微粒子表面をポリアクリル酸で表面修飾することにより、中性pH域に安定なナノ粒子の作成に成功した。 2.上記にヘマトポリフィリン誘導体の1つ5アミノレブリン酸をポリアクリル酸の反応基を利用して、結合ハイブリッド微粒子を作成できた。このハイブリッド体は化学的に安定であったが、逆に352nmの光照射でこのポリフィリン誘導体は遊離せず、癌細胞への付着や取り込みは多くなかった。現在、ポリフィリン誘導体が遊離しやすいよう、利用する化学結合部位の再検討を行っている。 3.次に、膀胱癌の膀胱注入療法などに使われ、細胞への移行が期待でき、蛍光を発して確認ができるアドリアマイシン(ADM)を用いて、上記と同様な方法でTiO_2ナノ粒子とADMとのハイブリッド体の作成に成功した。この粒子は光触媒の性質を利用し、光照射でADMを遊離させられることが分かった。 4.また、癌細胞へ付着・移行はTiO_2表面に結合させたポリマーの性質(特に荷電状態)によることもわかったので、ポリアクリル酸のみならず、ポリエチレンイミンなどを付加し水溶性にしたナノTiO_2粒子を新たに作成し検討した。これらの膀胱癌細胞への移行は、TiO_2表面の荷電の陽性度が増すと、附着性が著しく高まることが分かったが、しかし一方、毒性は強く出現し、実用化は難しいことが予想された。 5.そこで、中性荷電を持つポリマーで表面修飾したTiO_2ナノ粒子を作成し、検討を行った。この中性荷電TiO_2ナノ粒子に5-FAやcy-7などの蛍光物質との結合ハイブリッド粒子を作成し、ヌードマウスを用いて生体イメージング技術を用いて検討したところ、皮下移植膀胱癌に集積すること、また膀胱にも集積しイメージングができることが分かり、今後膀胱癌診断に結び付けられることが示唆される成果を得た。
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Research Products
(3 results)