2006 Fiscal Year Annual Research Report
絨毛外トロホブラスト浸潤能へのアクチン・ミオシン発現の関与とその局所・内分泌調節
Project/Area Number |
18659487
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
丸尾 猛 神戸大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60135811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 博哉 神戸大学, 医学部, 教授 (60229432)
中林 幸士 神戸大学, 大学院医学系研究科, 助手 (80362789)
山崎 峰夫 神戸大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (00220301)
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Keywords | 絨毛外トロホブラスト / 浸潤能 / アクチン / ミオシン / 妊娠高血圧症候群 / 胎盤 |
Research Abstract |
ミオシンには筋組織や非筋組織中に複数種のミオシン重鎖アイソフォームが存在する。大動脈平滑筋細胞には3〜4種類のMHCアイソフォームがあり、SM1とSM2という平滑筋タイプMHCアイソフォームと、MIIA(NM)という非筋タイプMHCアイソフォームがある。胎児や新生児の大動脈平滑筋細胞にはMIIB2という非筋タイプMHCアイソフォームが発現する。MIIB2は、胎児や新生児の組織に大量に発現するため、脳・胎児タイプ(BF)MHC、脳・胚タイプMHC、または胚平滑筋タイプMHCアイソフォームと呼ぶ。胎盤組織ではSM2、MIIA、MIIB2を含み、発育段階でアイソフォーム発現に違いがある。一方、アクチンは脊椎動物組織に6種類のアイソフォームが発現し、アイソフォームには3種類のαアクチン(心筋、骨格筋、平滑筋)、1種類のβアクチン(非筋)、2種類のγアクチン(非筋、平滑筋)が含まれ、筋組織や非筋組織の分化の指標となる。胎盤組織ではβ非筋アクチンがα平滑筋アクチンより多く存在する。 妊娠高血圧症候群胎盤では、正常末期胎盤に比して、脱落膜深層EVTにおいてアポトーシスが有意に増強し、Bcl-2発現が極めて弱い。また、細胞接着関連分子のfibronectinとその受容体のintegrinα5β1発現は弱く、TIMP-1の発現は強い。そこで、妊娠高血圧症候群胎盤EVTにおけるアクチンならびにミオシン各種アイソフォーム発現を正常胎盤のそれと比較し、細胞接着関連分子とアクチンならびにミオシンの機能相関として、TIMP-1に焦点を当て検討した。また、着床不全、習慣流産の内分泌因子であるプロゲステロンと甲状腺ホルモンのEVTでのアクチンならびにミオシン発現への影響を検討した。 さらに、妊娠各期胎盤EVTにおけるアクチンならびにミオシン各種アイソフォームの局在を検討するため、妊娠極初期(妊娠4-5週)、妊娠初期(妊娠6-12週)ならびに妊娠末期(妊娠37-41週)において、EVTにおけるアクチンならびにミオシン各種アイソフォームの局在を特異的モノクロナール抗体を用いて、免疫組織化学的に観察した。
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Research Products
(4 results)