2006 Fiscal Year Annual Research Report
子宮体癌発癌機構におけるRas/エストロゲン経路の果たす役割-癌幹細胞の観点から
Project/Area Number |
18659488
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
加藤 聖子 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (10253527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野間 和夫 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (30380413)
和氣 徳夫 九州大学, 大学院医学研究院, 教授 (50158606)
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Keywords | 癌 / 細胞・組織 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
前駆細胞に癌遺伝子K-rasの変異が入ったモデルとして、不死化ラット子宮内膜細胞(RENT4)に活性型K-ras遺伝子を導入したRK12V細胞を樹立した。 この細胞にはHoechst33342の取り込みの低いside-population(SP)細胞が存在していた。 SP細胞とnon-SP細胞をFACSで単離し培養した。再度、Hoechst33342で染色し解析したところ、SP細胞はSPとnonSPの2つの分画を示したのに対しnon-SP細胞はnon-SP分画のみであった。 このことより、SP細胞は不均等分裂の性質をもつことが示された。 また、SP細胞は、散在性に増殖し、腺管様構造をとりながら増殖するnon-SP細胞に比べ分化マーカー(CD9,CD13)の発現が低下していた。 軟寒天培地上のコロニー形成能に有意差は認めなかったが、SP細胞、non-SP細胞をヌードマウスに接種したところ、SP細胞はnon-SP細胞に比べ有意に大きな周囲組織に浸潤性の腫瘍を形成した。ヘマトキシレン・エオジン染色をすると、non-SP細胞由来の腫瘍は腫瘍細胞が主体であったのに対し、SP細胞由来の腫瘍は腫瘍細胞の他に、間質や細胞外基質が豊富な多彩な組織構造を示した。 マイクロアレイで解析したところ、SP細胞は腫瘍間質形成に関与する遺伝子の発現が亢進していた。 以上より、RK12V細胞のSP細胞は不均等分裂、造腫瘍能の亢進、多分化能を示し、stem-like cellの性質をもつことが示唆された。
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Research Products
(6 results)