2006 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜症特異的遺伝子EST-Xの機能解析と臨床応用へ向けた基礎研究
Project/Area Number |
18659490
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
梶谷 宇 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60407111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 哲夫 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10209702)
浅田 弘法 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60231883)
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Keywords | 子宮内膜症 / cDNAクローニング / 遺伝子治療 / 産婦人科学 |
Research Abstract |
子宮内膜症病変組織と正常子宮内膜組織との間の遺伝子発現様式の差異を種々の分子細胞生物学的手法を用いて検討し、内膜症組織において特異的に発現が誘導あるいは抑制されている遺伝子群、すなわち、子宮内膜症の発症および進展を制御するマスター遺伝子の候補となりうる遺伝子群の探索・同定を行った。その結果、子宮内膜症組織において特異的に高発現する新規遺伝子EST-Xが同定された。本研究組織において患者の同意を得て採取した病変組織および正常子宮内膜組織を用いた検討では、子宮内膜症性卵巣嚢腫において特異的に発現が上昇していた。同様に、腹膜子宮内膜症性病変や子宮腺筋症といった卵巣以外に発生する子宮内膜症性病巣においてもEST-X mRNAは正常組織に比して高い発現を示した。このことより、EST-Xは子宮内膜症の発症および進展に深く関与していると考えられたので、現在、RACE法および完全長cDNAライブラリーのスクリーニングにより、全長cDNAのクローニングを行っている。まず、子宮内膜症病変5例および正常子宮内膜組織3例より作製したライブラリーのスクリーニングを行ったが、いずれにおいても完全長EST-X cDNAを含むクローンを得ることができなかった。5'-RACEおよび3'-RACE法を用いて種々の検体(全組織および初代培養子宮内膜問質細胞、腺細胞)よりEST-X cRNAの未知領域の増幅を試みたところ、5'側、3'側ともに数種類の長さの異なる増幅産物を得たので、現在はそれぞれについて塩基配列を決定し、EST-X cDNAの完全長の塩基配列がわかれば、培養細胞中での過剰発現や発現抑制を行って、遺伝子産物の細胞レベルにおける生理活性を評価する予定である。
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