2007 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜症特異的遺伝子EST-Xの機能解析と臨床応用へ向けた基礎研究
Project/Area Number |
18659490
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
梶谷 宇 Keio University, 医学部, 助教 (60407111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 哲夫 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10209702)
浅田 弘法 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60231883)
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Keywords | 子宮内膜症 / cDNAクローニング / 遺伝子機能解析 |
Research Abstract |
本研究は、子宮内膜症特異的新規遺伝子EST-X遺伝子産物の子宮内膜症発症および進展機構における役割を明らかにし、EST-X以外にも多様な分子を含む子宮内膜症発症・進展の分子メカニズムの解明に向けた基礎的データを蓄積して将来的な臨床応用へつなげることを目的として計画したものである。EST-Xの全塩基配列を決定するため、5'-RACE法ならびに3'-RACE法、およびプラークハイブリダイゼーション法によるcDNAライブラリーのスクリーニングを実施した。AT含量が高いため特異的プローブやプライマーの作製が難しく、また、他の既知遺伝子と相同性の高い塩基配列も含んでいたことから全塩基配列の決定は難航したが、本研究期間中にEST-X mRNAの全塩基配列を決定することができた。ヒト11番染色体長腕上にコードされており、全長およそ2kbpであった。このmRNAはおよそ100アミノ酸からなるタンパク質をコードしていると予測されたが、既知のタンパク質とのアミノ酸配列上の相同性はほとんどなく、機能を推定することは現在のところ困難である。Northern BlotおよびRT-PCRによる解析では、EST-X mRNAは正常子宮内膜細胞においてはエストロゲンおよびプロゲステロンの添加では発現量が変動しないものの、その後、エストロゲンおよびプロゲステロンを除去することにより(in vitro月経状態)、発現が大輻に増強することがわかった。また、正所性子宮内膜組織に比して子宮内膜症組織において特異的に高発現していることが明らかとなり、EST-Xが月経および子宮内膜症発症・進展に何らかの重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)