2006 Fiscal Year Annual Research Report
プレスチン結晶化の試み〜聴覚を鋭敏にしているモーター蛋白質の構造解明を目指して〜
Project/Area Number |
18659495
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
和田 仁 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (30111264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 俊光 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80133958)
熊谷 泉 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (10161689)
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Keywords | 国際研究者交流 / スイス / 膜タンパク質 / Prestin / 2次元結晶 / 原子間力顕微鏡 |
Research Abstract |
哺乳類の聴覚は内耳外有毛細胞の伸縮運動により,鋭敏なものになっている.その伸縮運動の源は細胞側壁に高密度に発現しているタンパク質モータprestinの構造変化であると考えられている.Prestinについてその同定以来様々な研究が行われてきたが,prestinの形状や構造変化メカニズムは解明されていない.そこで本研究では,prestinの2次元結晶を作製し,その結晶を用いて,原子間力顕微鏡によるprestinの原子レベルでの可視化を目指している. 平成18年度は,2次元結晶作製のため,これまでに構築したFLAGタグ融合型prestinを安定発現する細胞からprestinを調整する方法について検討した.まず,prestinを細胞から抽出するために最適な界面活性剤を,12種類の界面活性剤から限界ミセル濃度及び細胞の可溶化率に基づき選択した.抽出したprestinを,FLAGタグを利用しアフィニティークロマートグラフィーで精製した.Prestinの精製度はSDS-PAGEで評価し,以降の実験に十分な純度まで精製できていることを確認した.一般に,膜タンパク質の精製では,精製過程でタンパク質の構造が乱れ,活性を失うことがある.そこで結晶を作製する前に,精製prestinが正しい構造をとり活性を有しているか,精製prestinと塩化物イオンとの相互作用を等温滴定型カロリメータで計測し評価した.その結果,精製prestinは塩化物イオンと相互作用し,活性を有していることが示された.今後,精製prestinの2次元結晶を作製し,原子間力顕微鏡によるprestinの構造解明を目指す.
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