2007 Fiscal Year Annual Research Report
乳酸菌組み換え体を用いた頭頸部進行癌の遺伝子治療の研究
Project/Area Number |
18659496
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
志賀 清人 Tohoku University, 医院, 講師 (10187338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十君 靜信 国立医薬品食品衛生研究所, 食品衛生管理部, 室長 (70212743)
堀井 明 東北大学, 医学部, 教授 (40249983)
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Keywords | 乳酸菌 / 組替え体 / 頭頸部癌 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
細菌ベクターを用いた頭頸部扁平上非癌への特定遺伝子の導入実験 1.Lactobacillusをベクターとした組換え体の作成 現在Lactobacillus caseiをベクターとしてプラスミドのコンストラクトの導入を準備している遺伝子はcytosine deaminase、 IL2, endostatinなどである。この中でLactobacillus caseiをベクターとしてプラスミドに組み込んだIL2遺伝子を導入し、安定した組換え体を作成することに成功した。IL2は分泌蛋白として細胞外に分泌される形式である。今後はこのコンストラクトを用いて遺伝子治療を検討する。 2.In vivoでの検証 ヌードマウスに頭頸部扁平上皮癌の可移植株を移植し、ある大きさまで皮下腫瘍が増大した時点を選んで、非組換え体Lactobacillus caseiを局所注射することによりLactobacillus caseiの濃度依存的に抗腫瘍効果が得られることが判明した。そこで、さらに濃度を固定し、投与を5日間連続とする群と1週間間隔で投与する群の2つに分けて検討した。5日間連続投与ではほぼ腫瘍の増殖が抑制された。その効果を病理学的に検討すると、明らかに腫瘍内で乳酸菌が存在することが確認された。また、マウス血清中の種々のサイトカインを測定したところIL5, IL10, IL12, IFN-g, TNF-aなどがコントロールに比べLactobacillus caseiの濃度依存的に増加しており、特にIL12, IFN-g, TNF-aの増加は顕著であった。このように乳酸菌の抗腫瘍効果の一部は宿主の免疫系を活性化することによることが判明した。
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