2006 Fiscal Year Annual Research Report
ケモカイン抑制による角膜移植後拒絶反応抑制法の開発
Project/Area Number |
18659511
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
石倉 涼子 鳥取大学, 医学部附属病院, 助手 (00335530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 大 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (30346358)
井上 幸次 烏取大学, 医学部, 教授 (10213183)
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Keywords | ケモカイン / 角膜移植 / 拒絶反応制御 |
Research Abstract |
角膜移植後拒絶反応における標的分子を探索するため、まずBALB/c(H-2d)をドナー、C57BL/6(H-2b)をレシピエントとした同所性角膜移植を用いてケモカインレセプターのmRNAの変動をスクリーニングした。その結果Isograftに比べ最も顕著な変動を示したのはCXCR3であり、その他CCR5,CCR1,CCR7の増大を認めた。これらのデータは、CXCR3,CCR5を標的候補とすることの妥当性を示唆していた。そこで、これらのリガンドを中心にケモカインの変動を検証すると、もっとも顕著な変動を示したのは、CXCR3のリガンドであるIP-10次にMIGであった。IP-10は250倍もの発現増大を認めた。それに続き、CCR5のリガンドであるRANTES(14倍)、MIP-1α(9倍)の発現増犬を認めた。これらは、拒絶反応におけるCXCR3及びCCR5の中心的な役割を示唆していた。次に、CXCR3及びCCR5のそれぞれ及び両分子の欠損マウスを用いて拒絶反応の誘導を解析した。CXCR3/CCR5両欠損マウスでは、野生型マウスに比べ、拒絶反応発症までの期間が有意に延長していた。一方、CXCR3は延長傾向ではあったが有意差を認めなかった。以上の事実より、CXCR3及びCCR5はいずれも拒絶反応の発症に強く関与していることが示されたが、その抑制にはそれぞれ単独の阻害のみでは十分ではないことを示していた。これら拒絶反応の発症が、CCR5及びCXCR3を発現するeffector細胞が関与するか否かを検討するため、野生型の脾臓をCXCR3/CCR5両欠損マウスに移入を試みた。その結果、移入されたCXCR3/CCR5両欠損マウスでは拒絶反応発症の抑制が解除された。以上よりCXCR3及びCCR5の両分子が拒絶反応の発症に重要であることが判明した。さらに詳細なその発症メカニズムを検討するため、局所リンパ節のアロ応答性およびTh1/Th2サイトカインの誘導に関して解析をすすめつつある。
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Research Products
(5 results)