2007 Fiscal Year Annual Research Report
ケモカイン制御による角膜移植後拒絶反応抑制法の開発
Project/Area Number |
18659511
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
石倉 涼子 Tottori University, 医学部附属病院, 助教 (00335530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 大 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (30346358)
井上 幸次 鳥取大学, 医学部, 教授 (10213183)
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Keywords | 角膜移植 / 拒絶反応抑制 / サイトカイン / CXCR3 / CCR5 |
Research Abstract |
前年にひきつづき、角膜移植後拒絶反応における標的分子を探索するため、同所性角膜移植の系を用いて解析を進めた。CXCR3及びCCR5のそれぞれ及び両分子の欠損マウスにおいては、拒絶反応の発症は有意に抑制された。これらの分子がより長期的な移植片の生着に必須であるか否かをさらに検討したところ、術後1ケ月をこえると抑制効果の減弱を認めた。局所リンパ節の混合リンパ球培養試験によれば、(DKO)においては、アロ特異的増殖反応は有意に抑制されていたが、その抑制は完全でなく、CXCR3,CCR5非依存性の経路の関与が示唆された。次に移植片におけるサイトカインprofileの検討をおこなった。その結果、術後2週においてDKOにおいては、Th1型のサイトカインinterferon-γ、IL-2,のみならずTh2型のサイトカインであるIL-6,IL-10,IL-13の誘導が顕著に抑制された。このことは、Th1型のsignatureであるCCR5,CXCR3の阻害は、サイトカインprofileを非Th1型に偏倚させることにより拒絶反応を抑制しているわけではないことを示唆していた。これまでの結果をまとめると、少なくとも術後早期においてはCCR5,CXCR3を介するTh1型の反応は、拒絶反応の抑制に重要であるもののその代替経路が長期的には移植片の生着に大きくかかわることを示していた。そこで、我々は、その代替経路に関わる因子の解析を始めた。CCR5,CXCR3の抑制にもかかわらず、変動が抑制されない因子およびケモカインレセプターの検索を行ったところ、DKOにおいては、CCR1,CCR2,CCR6,CCR7,CXCR4の発現増大を認めた。中でもCCR1は、DKOにおける発現レベルの増大が顕著であった。このため、CCR1阻害剤の併用投与により拒絶反応の発症を長期に抑制できるかの検討をすすめつつある。
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Research Products
(4 results)