2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18659532
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
早川 航一 Osaka University, 医学部附属病院, 医員 (60403086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 裕司 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70301265)
杉本 壽 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (90127241)
田中 裕 順天堂大学, 医学部, 教授 (90252676)
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Keywords | 医学 / 救急医学 / クラッシュ症候群 |
Research Abstract |
クラッシュ症候群は、重症化すると、局所の傷害に留まらず全身に様々な影響を与えることが臨床的には知られているが、まだ証明はされておらず、詳細な病態や発症メカニズムも解明されていない。これまでに、圧挫解除前からの生理食塩水の負荷とトロンボモジュリン投与の併用療法が有用である可能性を、ラットモデルを用いて報告してきたが、今回はその病態の解明に焦点を当て研究を進めた。 ラット両後肢に3.5kgずつ6時間負荷をかけて圧挫し、圧挫開始時から1ml/kg/hの生食輸液を始め、圧挫解除1時間前から、生食での輸液負荷を10ml/kg/hで4時間行った(A群)。A群の圧挫解除24時間後の血液と肺を採取し、ノーマルラット(N群)と比較検討した。 圧挫解除24時間後の血液検査所見では、フォン・ウィルブランド因子(vWF)、tPA/PAI-1複合体はN群に比べA群は有意に上昇していた。圧挫解除24時間後の肺組織は、HE染色では肺組織の構造変化は見られないものの、免疫染色学的な評価では、OX-42陽性細胞が、N群に比しA群で有意に増加していた。また、N群では見られなかったVCAM-1とE-セレクチンの発現が肺の血管で見られ、また、N群では比較的大きな血管しか染まらないvWFがA群では肺胞レベルの血管まで染まることが確認された。 本ラットモデルの検討から、圧挫損傷により、遠隔臓器である肺にも傷害が及んでいる可能性が示唆された。
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