2008 Fiscal Year Annual Research Report
白血球のアクアポリンを介した全身性炎症反応の制御に関する研究
Project/Area Number |
18659533
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小倉 裕司 Osaka University, 医学系研究科, 講師 (70301265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 壽 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (90127241)
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Keywords | 白血球 / アクアポリン / 全身性炎症反応 / マイクロパーティクル |
Research Abstract |
侵襲時における免疫応答と白血球機能を明らかにし、敗血症や重症外傷など高度侵襲に対する新しい治療の開発につなげるため、全身性炎症反応(Systemic Inflammatory Response Syndrome; SIRS)患者の好中球のアクアポリン発現と形態機能変化に注目して研究を行った。平成18年度、19年度では、SIRS患者の好中球は有意に活性化され、細胞骨格の変化が生じてマイクロパーティクル産生が増加すること、また同時に好中球の細胞膜に存在し形態機能変化に関わるAquaporin (AQP)9の発現がSIRS患者において有意に亢進していることを明らかにした。さらに、in vitroにおいて、好中球の活性化に伴い、細胞膜の一部と共に放出されるマイクロパーティクル産生とAQP9発現が有意な相関を示すこと、AQP9の発現と細胞内アクチン重合が好中球の刺激後1分で最高値に達し、その変化がほぼ同時に起きていることからAQP9が活性化した好中球の細胞骨格変化に深く関わっていることを示した(第64回米国外傷外科学会発表)。平成20年度では、平成18、19年度で得られた研究結果をもとに、in vitroの追加実験を行った。特異抗体を用いてAQP9をブロックしたところ、活性化好中球からのマイクロバーティクル産生が有意に抑制され、AQP9がマイクロパーティクルの産生、放出過程に重要な役割を果たすことを証明した。現在、以上の研究結果をまとめ、雑誌に投稿中である。また、現在AQP9をブロックした状態で細胞内アクチン重合を測定し、AQP9の発現が好中球の細胞骨格変化にも直接関わっているかどうか検討しており、今後まとめる予定である。
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